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韓龍雲(ハン・ヨンウン:한용운)1879-1944
 詩人。忠清南道・洪城生まれ。僧侶と独立運動家としての顔を持ち、没するまで祖国の解放と仏教の大衆化をうったえ続けた。1926年に出された彼の唯一の詩集『あなたの沈黙』は、金素月の『つつじの花』と並んで挙げられる代表的な詩集である。 
 
蔡萬植(チェ・マンシク:채만식)1902-1950
 小説家。群山市生まれ。長編小説「濁流」は1937年に発表された彼の代表作のひとつで、1930年代に日帝植民地統治下に経験したこの地方の人々の哀歓をリアルに骨身にしみるように叙述した傑作である。群山が舞台設定の中心になっており、混濁と流れる当時の社会像を描く作品技法で風刺的技法と近代リアリズムの大家として評価されている。  
 
李陸史(イ・ユクサ:이육사)1904-1944
 詩人、独立運動家。1923年から一年間余り日本に留学した。帰国後、抗日結社「義烈団」に加盟し、北京との間を幾度と無く往来し、活動を行った。1933年に帰国した頃より詩作活動をに入った。1937年、同人誌『子午線』を発刊し、この頃代表作である「青葡萄」、「芭蕉」などを発表した。魯迅と交友を持ち、現代中国の文学・政治を積極的に論じた数少ない文学者でもあった。  
 
朴花城(パク・ファソン:박화성)1904-1988
 詩人。女流小説家。木浦市竹洞生まれ。1929年日本女子大学文学部を修了。朴花城は韓国文壇最初の本格的な女流作家として、60余年の作家生活を通じ 、『峠を越えると』『白花』『ガラスの番人』など珠玉のような120余編の作品を残した。  
 
金素雲(キム・ソウン:김소운)1907-1981
 詩人・随筆家。釜山生まれ。13歳の時日本へ渡り、34年間日本で滞在。日本の詩人北原白秋から師事を受け、20歳前後から日本の詩壇で活躍した。戦前、戦後を通じて朝鮮半島の人々の民謡を始め、韓国の近・現代詩の日本語訳、韓日辞典の編纂の他にも、日韓両国の間に立って数多くの著作をされた文化人として著名である。 
 
金東里(キム・ドンリ:김동리)1913-1995
 小説家。慶尚北道・慶州生まれ。1935年に中央日報新春文芸に『花郎の後裔』が、翌年の東亜日報新春文芸に『山火』がそれぞれ当選した。その後、短篇『岩』『巫女図』『黄土記』などで説話的・伝説的世界を描き、政治に隷属しない「純粋文学」の主唱者・実践者となった。 
 
徐廷柱(ソ・ジョンジュ:서정주)1915-2000
 詩人。全羅北道・高昌生まれ。号は未堂。1936年に東亜日報新春文芸に詩『壁』が当選し、金東里らと同人誌『詩人部落』を創刊。1956に刊行された『徐廷柱詩選』では、民族の伝統的な恨(ハン)と自然との和解を歌い、円熟した自己洞察と達観を示した。 
 
黄順元(ファン・スンウォン:황순원)1915-2000
 小説家。平安南道・大同生まれ。日本の早稲田大学英文科卒業。中学時代から1930年代半ばまで詩作を続けたが、1945年の解放後、南に移り、抒情性豊かな短篇を発表する一方、戦争とイデオロギー対立が残した悲劇的な状況や非人間化を暴露する長編『カインの後裔』、『日月』、『動く城』などを発表した。その作品は詩的感受性をもとにした繊細な文体とストーリーの緻密な展開が特徴で、悲劇的な現実を深淵な思想や説話の世界観で包み込む完結性に定評がある。  
 
金洙暎(キム・スヨン:김수영)1921-1968
 詩人。ソウル生まれ。1968年に交通事故で逝去した後刊行された詩撰集『巨大な根』は韓国の歴史に対する深い関心と愛情を歌ったものである。  
 
金春洙(キム・チュンス:김춘수)1922-2004
 詩人。慶尚南道・統営生まれ。初期にR.Mリルケの影響を受け、1950年代末まで存在論的な孤独とその本質に対する探究に没頭した。1948年、初の詩集『雲とバラ』を出版し本格的な文壇活動を開始し、『沼』、『ブタペストでの少女の死』、『處容』、『立って眠る森』などの詩集を残した。  
 
朴景利(パク・ギョンリ:박경리)1926-2008
 女流小説家。慶尚南道・忠武生まれ。登場人物たちの粘り強い生き様を表現している作品が多く、特に大河長編小説「土地」では韓国民族の恨(ハン)を粘り強い生命力に転換して表現している。 
 
千祥炳(チョン・サンビョン:천상병)1930-1993
 詩人。1930年日本生まれ。戦後、韓国に帰り、ソウル大学に入学。その頃より詩や評論活動を始める。1967年東ベルリン事件〔スパイ事件〕の犯人とされ、6ヵ月間獄中で過ごした。1993年に他界するまでの10年間に詩集を次々発表した。 
 
高銀(ゴ・オン:고은)1930-
 詩人。全羅北道・群山生まれ。1952年に入山して以来、十年近く修行と放浪生活をし、1962年に還俗した。1970年以降、民主化運動に積極的に関与し、民族文学作家会議会長、民族芸術人総連合会議長を歴任した。また、詩集だけではなく随筆集、評伝、長編小説等様々な創作活動を展開している。  
 
李浩哲(イ・ホチョル:이호철)1932-
 小説家。咸鏡南道・元山生まれ。1950年に北朝鮮から韓国に渡り、釜山で生活した。朝鮮戦争の傷痕である民族分断と離散家族問題を繊細な筆致で描写した小説が多い。 
 
崔仁勲(チェ・インフン:최인훈)1936-
 小説家。咸鏡北道・会寧生まれ。高校在学中に朝鮮戦争が勃発し、1950年に家族とともに南へ渡る。初期作品はその体験が作品形成のモチーフとなっている。特に『広場』では南北の分断を正面から扱ったことで注目と賞賛を浴び、その後も作品を次々と発表した。その後10年近く絶筆生活を送るが、1994年に自伝的長編『話頭』を発表し、注目を集めた。  
 
金芝河(キム・ジハ:김지하)1941-
 詩人。全羅南道・木補生まれ。1960~1970年代には反体制詩人として社会を痛烈に諷刺するが、反共法によって起訴され、1980年まで獄中生活を送った。釈放後、1990年代に入ってからは生命思想家として活躍している。 
 
徐勝(ソ・ソン:서승)1945-
 在日韓国人2世として、京都府で生まれ育つ。京都市立堀川高等学校を経て、1968年東京教育大学卒。韓国国立ソウル大学校大学院に留学中の1971年、帰国者である事からスパイ容疑で韓国軍情報機関に逮捕され(学園浸透スパイ事件)、政治犯として19年間を獄中で過ごす。1990年に釈放された後、米国・カリフォルニア大学バークレー校客員研究員などを経て、1998年から立命館大学法学部教授を務めている。 
 
李御寧(イ・オリョン:이어령)1945-
 韓国初代文化相。ソウル大学大学院文学博士。専門は文芸批評、記号学、比較文化論。梨花女子大学教授、同大学碩学教授を経て、現在、同大学名誉教授・中央日報社常任顧問を務める。多くの文学評論書を発表するとともに、創作活動にも意欲を見せ、『将軍のひげ』など数々の作品を残している。 
 
金采原(キム・チェウオン:김채원)1946-
 女流小説家。梨花女子大学絵画科卒業後、5年に渡ってアメリカ、フランスで留学生活を送った。彼女の代表的中編小説『冬の幻』は、中年女流作家が20代の青年と電話だけで恋愛している世界を描いたもので、他にも内向的な視点を持った作品を創作し続けている。 
 
金薫(キム・フン:김훈)1948-
 小説家。ソウル生まれ。長い記者生活を経て作家活動を始める。彼の長編歴史小説『孤将』は、朝鮮半島で民族の二大英雄のひとりとして崇められている武将・李舜臣が文禄・慶長の役で日本軍を打ち破り、壮絶な戦死をとげるまでを舞台に、彼の内面の孤独・苦悩を、ダイナミックな戦闘シーンと共に一人称で描ききった作品で、韓国では50万部を超えたベストセラーとなった。 
 
李文烈(イ・ムンヨル:이문열)1948-
 小説家。新聞社の懸賞小説に入選して文壇デビューを果たす。長編小説『皇帝のために』は、名高い予言書「鄭鑑録」をもとに植民地支配者たちに対し、「皇帝」を自称する主人公による縦横無尽、艱難辛苦のドン・キホーテ的反抗劇が書かれている作品であり、1983年にはこの作品で「大韓民国文学賞」を受賞した。 
 
梁貴子(ヤン・クィジャ:양귀자)1955-
 女流小説家。全羅北道・全州生まれ。1978年『文学思想』の新人賞を『ふたたび始まる朝』で受賞し、文壇にデビューする。その後小説やエッセイを多数発表し、多くの文学賞を受賞する。代表作『ソウル・スケッチブック』は、ソウルに住む人のことを描いた短い小説がたくさん入っている作品である。 
 
申京淑(シン・ギョンスック:신경숙)1963-
 女流小説家。全羅北道に生まれる。文芸中央新人文学賞に登壇し、作家活動を始める。『或る失踪』は、民主化を求める学生のデモによる家族への波紋を、家族の側から書いた作品。残された家族の悲哀と、そういった現状で生きる女性たちの生き方を描いた作品である。