桂川甫周編 『和蘭字彙』

安政2(1855)年

 編者桂川甫周は江戸の蘭方医の名門桂川家の出身で、その7代目にあたる。本書はいわゆる 『ドゥーフ・ハルマ』 ( 『道富波留麻』 、通称 『長崎ハルマ』 で知られる)の校訂版である。これより先、オランダの商館長ヘンドリック・ドゥーフはオランダ通詞の語学力向上を目的としてフランソワ・ハルマ原著の 『蘭仏辞書』 (1729年版)を元に、長崎通詞吉雄権之助等の協力を得て文化13年(1816)にはその一部を完成させていた。この 『ドゥーフ・ハルマ』 が完全に出来上がるのは、それより10数年後となるが、浄書された分は30数部に過ぎず、蘭学研究者の増加にともない辞書数としても不足を来していた。
 そうしたことから、 『長崎ハルマ』 の出版が人々に意識され、嘉永2年(1849)に佐久間象山が出版許可を申請しているが、幕府はなぜかこの申請を却下している。しかしその後、桂川甫周が幕府の許可を取り、木版として出版したのが本書である。

展示目録 『日蘭交流400周年記念稀覯書展示会』 より

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