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GRIMM, Wilhelm
Die deutsche Heldensage
Göttingen, 1829
W. グリム 『ドイツ英雄伝説』
著者ヴィルヘルム・グリムはグリム兄弟の弟の方である。
本書はカッセルの図書館員時代最後の年に刊行された著作で、ドイツ中世英雄叙事詩の代表とも言うべき 『ニーベルンゲンの歌』 や、グードルン伝説など古代ゲルマン圏の英雄伝説を広く収集、研究し、学術的見地で纏めたヴィルヘルムの代表作である。グリム兄弟はしばしば童話と伝説とを対比しその差異について言及したが、「童話は詩的なもので、伝説は歴史的なもの」とする兄弟共通の見解を継続した上で、本書では更に英雄伝説に基づく民族叙事詩の太古からの信仰との関連性を理論的に考察し、英雄伝説は神話と歴史の中間に位置すると結論づけた。
本書は学術的研究書であり、兄弟共著の 『ドイツ伝説集』 同様に一般向けの作品ではないが、英雄伝説を学問的研究の一ジャンルとして確立させただけでなく、後の研究者に多大な影響を与えた記念すべき書である。
展示目録 『日本で知られたドイツの世界』 より |