SCHÖFFER & FUST
Biblia sacra
Mainz, 1472

シェファー、フスト 『聖 書』(48行聖書)

 ペーター・シェファー(Peter Schöffer, 1425?–1503)はマインツ近郊の町ゲルンスハイムに生まれた。パリで学んだのち、グーテンベルク(Johannes Gutenberg, 1394?–1468)の印刷所で彩色・植字・印刷・錫と鉛合金の活字鋳造の技術者として働いていた。一方、ヨハネス・フスト(Johannes Fust, ?–1466)はグーテンベルクに出資し、彼の事業に協力していたが、グーテンベルクの印刷所が破産に至ったことから、かねてより才能を高く評価していたシェファーを共同経営者に迎え入れ、自らの印刷所を設立した。
 シェファーは、先ずグーテンベルクの手がけていた所謂「42行聖書」を1455年に完成させたと考えられる。その後の1457年には 『聖詩篇』 („Psalter“)、1458年 『キャノン・ミサル』 („Canon Missal“)の大著を刊行し、さらに1462年にはマインツで印刷された第二の聖書である「48行聖書」を刊行した。こうした業績から、シェファーはグーテンベルクの第一の弟子として世界の印刷史上に名を輝かせている。
 シェファーの代表作と見なされるこの「48行聖書」にはヴェラム刷本と紙刷本の二種があり、聖書印刷史上「42行聖書」に次ぐ美本とされている。本文2段組48行でゴシック体活字を使用し、頭文字や余白に美しい彩色が施されている。本書1472年版は、1462年版を補う形で刊行され、マインツで刊行された第3番目の聖書ということになる。
 なお、この1472年の 『聖書』 (「48行聖書」)は、本書を含め世界で8点が確認されているといわれている。

展示目録 『日本で知られたドイツの世界』 より


        
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