バルザック『谷間の百合』
バルザック(1799-1850)は、フランスのトゥールで生まれる。1819年パリの下町の屋根裏部屋にこもって古典悲劇の形式で『クロムウエル』を書き上げたが、悪評を浴び、それ以来小説に専念する。1822年から1827年まで共同あるいは匿名で多くの作品を書いた。 『谷間の百合』は、彼の連鎖小説『人間喜劇』の中の「地方生活情景」の中に含まれる一作品であるが、自伝的要素の濃い作品である。作中の主人公フェリックスの少年時代は、バルザック自身であり、モールソーフ夫人はバルザックの初恋の女性で彼の作家的精神形成に多くの影響を与えたベルニー夫人その人であると言われている。 本書は、1837年ベルギーのブリュッセルで出版された。
展示目録「日仏文化資料展示会」より