田中不二磨撰 『理事功程』

明治10 (1877)年

  我が国が近代的な教育制度を整えるようになったのは、江戸末期の教育機関が整備され、諸外国の教育制度が移入され、明治5年に学制の公布、明治12年に教育令が制定されるにいたったことに始まるといわれている。 『理事功程』 は、こうした我が国の近代教育制度の発足に大きな役割を果たした田中不二磨による外国教育制度の調査報告書である。
 明治政府は、明治4年7月に文部省を設立し、全国の教育を統轄し、近代教育制度化に着手したのであった。尾張藩土として名古屋に生れた田中不二磨は、明治2年大学校御用掛、廃藩置県後は太政官出仕、明治4年に文部大丞に任ぜられている。彼は明治4年〜6年まで、岩倉大使一行の欧米派遣に理事官として加わり、各国の教育制度の調査に力をつくすことになった。その報告書を上書提出したのがこの 『理事功程』 である。
 文部省は明治6年から8年にわたって、これを全15巻として出版し、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ベルギー、ドイツ、オランダ、スイス、デンマーク、ロシアの教育制度について明らかにしたのであった。明治12年9月に制定された教育令の立案に重要な資料となり、我が国の文教制度樹立に大きな歴史的意義をもつものとして高く評価されるものである。

展示目録 『西洋との出会い』 より


        
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