STOWE, Harriet E.B.
"Uncle Tom's Cabin"
London, 1852

ストー 『アンクル・トムの小屋』

 ハリエット・ビーチャー・ストー(1811-1896)はアメリカの女流作家。コネティカット州のリッチフィールドで生まれた。1832年 にオハイオ州のシンシナティで教師となり、地方紙への寄稿もしていた。1836年に学校が閉鎖されると、大学教授と結婚したが、 夫は病弱で貧窮を極めた。オハイオやケンタッキーに奴隷を使っている地域があり、彼女は悲惨な奴隷達の生活状態を見聞した。
 本書では、奴隷の悲惨な生活がケンタッキーを舞台にして描かれている。信心深い中年の男奴隷トムはシェルビー家から売られて いく途中、シンクレアの娘エバが溺死しかけたのを救う。シンクレアはトムを召使いとし、その行為に報いる。しかし、シンクレア が死ぬとトムは再び売られ、新しい主人レグリーの残虐のためトムは死に追いやられる。シェルビー家の息子ジョージがトムを買い 戻そうと駆けつけた時は手遅れだった。
 本書は、1851年に反奴隷制度運動の機関誌《National Era》に連載された後、1852年に単行本として刊行されたもので、1年間で 30万部売れたといわれている。また、同年ジョージ・エイケン(George L. Aiken, 1830-1876)によって脚色劇化され、舞台でも大 当たりした。この物語が南北戦争の勃発に多大の影響を与えたといわれている。
 この作品全体を貫く作者のキリスト教的人道主義が、当時のアメリカの人々の心を強くゆり動かした。今日なお読者の心を打ち、 読み継がれている。

「GAIDAI BIBLIOTHECA」170号より


        
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