Mark Twain
"The Adventures of Tom Sawyer"
Hartford, 1876

『トムソーヤの冒険』

 マーク・トウェイン(1835-1910)はアメリカの作家で本名をサミュエル・ラングホーン・クレメンズ(Samuel Langhorne Clemens)といい、ミズーリ州のフロリダに生まれた。植字工、水先案内人、鉱夫などをした後、新聞社の通信員となった。1865年ニューヨークの新聞に寄稿した『跳ね蛙』(The Jumping Frog)でユーモア作家としての地位を確立し、ヨーロッパ旅行の体験記『赤毛布外遊記』(The Innocents Abroad)や『ハックルベリー・フィンの冒険』(Adventures of Huckleberry Finn)など数多くの作品を残した。筆名のマーク・トウェインは、ミシシッピ河の水先案内人であった頃に聞き慣れた、測深手の叫び声「水深2尋」(by the mark, twain)に由来している。
 本書は、1876年に出版された初版本の第3刷である。この作品は作者(つまり主人公Tom)の叔父の農場“Quarles Farm”やミシシッピ河に臨む港町ハンニバルでの少年時代の思い出を題材にした伝記的小説で、大人から見た子供の世界がありのままにユーモアを交えて描かれている。なお、タイトルの「冒険」(Adventure)の意味は「型破りの、痛快な、向こう見ずの行動」といったぐらいの意味で、「ドン・キホーテ」流の冒険といったところである。
 トウェインの評価は時代とともに高まり、現代アメリカ文学に大いなる影響を及ぼしアメリカ国民文学の確立に貢献した彼は、文学におけるリンカーンともいわれ、本書をアメリカ文学史上の傑作の一つに数えるということは批評家の一致した見方である。

「GAIDAI BIBLIOTHECA」154号より

   資料ID:043377(書誌詳細画面へ接続)


        
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