Chambers, Ephraim
"Cyclopaedia : or, an Universal Dictionary
of Arts and Sciences"

 2 vols. London, 1728.

チェンバーズ 『百科全書』

 イーフレイム・チェンバーズ(1680?−1740)による 『百科全書』 が出版された頃のイギリスは、責任内閣制が確立され「王は君臨すれども統治せず」という有名な言葉を背景として、議会政治が安定期に入ったハノーバー朝の時代であった。
 こうした社会的な環境の中で、人々も知識を求め、教養を高めることを誇りとする風潮が定着していた点も、この百科全書の刊行を成功裡に導いた要因であったと思われる。
 内容についても当時としては斬新なもので、関連項目については「何々を参照」とする、所謂クロスレファレンス方式と呼ばれる形をとり、後世の百科事典の形態に新たな指針を示した。これは、チェンバーズ自らが、百科事典である本書に執筆するほどの博学を兼ね備えた編集者であったことから成し得たことで、彼が「イギリス百科事典の父」と称される所以である。
 本書は、前述のように同じイギリスで刊行された 『ブリタニカ百科事典』 やフランスの 『ディドロ百科全書』 の編集にも大きな影響を与え、イタリアにあっては1749年に本書が9巻本として翻訳されているほどである。因みに、我が国でも明治元年に 『百科全書』 として訳され、当時の知識人から好評を博した。

『GAIDAI BIBLIOTHECA』 132号より

   資料ID:336528, 336529, 336530, 336531, 384499, 384500(書誌詳細画面へ接続)


        
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