James Cook
"A voyage towards the South Pole, and round the world"
(London, 1777)

ジェームズ・クック 『南極海航行記』

  キャプテン・クックの愛称で、知られているジェームズ・クック(1728-1779)はイギリスのヨークシャーの貧しい家庭に生れた。人々の好意で早くから航海術を教え込まれ、バルト海を渡る貿易船に乗組み経験を重ねていたといわれている。
 折りしも勃発した英仏戦争で頭角を現したクックは、若くして艦長に昇進し北アメリカのケベック攻防戦にも参戦した。1768年には、海軍省の金星観測のため、南米大陸最南端のホーン岬から太平洋に入り、ニュージーランド、オーストラリア、ニューギニア、ジャワなどの海域調査を進めながらインド洋を横断、喜望峰(ケープタウン)を北上して1771年に帰国し世界一周の航海を達成した。
 1772年からは、当時存在が信じられていた南方大陸発見のため南極海域から南太平洋を調査し、二度目の大航海を成就させた。また、1775年よりは北太平洋調査を目的としてハワイ諸島から北米大陸西岸沿いに北上し、ベーリング海峡を越え北極海にまで到達するという三度目の大航海を行った。北極海での航海は船にとっても乗組員にとっても苛酷なもので、帰途、修理と休養の必要性から寄港したハワイ諸島で、原住民との間に生じた小競り合いの中、あえない最期を遂げた。
 太平洋での諸発見と調査を重ねたクックの業績は、彼が考案した航海術や乗組員の長期健康管理体制と共に、本書をはじめ他の2回の航海記に著され、イギリスの海外発展史の中でもひときわ輝く存在として人々に語り継がれている。

『GAIDAI BIBLIOTHECA』 127号より

   資料ID:043509(書誌詳細画面へ接続)


        
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