『ハンス・アンデルセンの物語』
(Stories from Hans Andersen)
挿絵 エドモンド・デュラック
ロンドン、1911

 この絵は、アンデルセンの有名な 『人魚姫』 の一場面である。人魚姫が自分の幸せのために「声」と引き替えに、海の魔女から貰った人間になる薬を持って、不思議の森をぬけてゆく。海に沈んだ人間や動物などを絞めつけた、半ば動物で半ば植物の森は、人魚姫の手の中で星のようにきらきら輝く薬が怖くて近づけない。
 絵を書いたエドモンド・デュラック(Edmund Dulac 1882-1953)はフランスのトゥールーズで生まれた。パリで絵を学び、30才でイギリスに移った。イギリス国籍を取得したのち、多くの作品を世に出し 『アラビアンナイト』 やシェイクスピアの 『テンペスト』 などで、その才能を発揮している。この本はアンデルセン作品 『人魚姫』 の他に 『王さまの新しい服』 などの作品を収録した豪華本で、28枚の彼の絵が挿入されている。

『GAIDAI BIBLIOTHECA』 95号より


        
戻る  図書館ホームページへ