ジョナサン・スウィフト 原著
アーサ・ラッカム 挿絵
『ガリバー旅行記』より
この絵を描いたアーサ・ラッカム(Arthur Rackham,1867-1939)は、20世紀初頭のイギリ
スを代表する挿絵画家である。 『グリム童話集』 や 『ピータ・パン』 など子供向けの本の挿絵を
多く書き次第に有名になり、シェークスピアの 『ロミオとジュリエット』 などの名場面を描くこ
とによってさらに、その名を高めた。
この作品は、1909年にロンドンとニューヨークで、彼の絵入り本として刊行されたジョナサン・ス
ウィフトの代表作 『ガリバー旅行記』 において、口絵として用いられたものである。
眠りからさめたガリバーが、小人たちに縛られた縄を解き、あくびをしている様子を描いて
いる。ファンタジックを持ち味とするラッカムの絵としては色彩などで、やや地味な感じを否
定しえないが、童話の世界を細かく巧に表現している。
本書はこの口絵を含め13枚の台紙貼り挿絵を含んだ750部の限定本で、ラッカムの自筆署名が
入れられている。
なお、本誌の古い読者は既にお気付きかも知れないが、第59号で1886年にロンドンで刊行さ
れた250部限定版から、同じ場面の挿画を紹介しており、これと較べて頂くとおもしろい。
『GAIDAI BIBLIOTHECA』 94号より |