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健康支援課スタッフブログ RSS

2024/01/30 18:10:00 「自分を知るための手軽なテストとの付き合い方」

  • Category学生相談室だより
  • Posted by学生相談室
 皆さんはMBTI(性格診断)をインターネット上で試したことはあるでしょうか。ここ最近(2023年12月時点;現在は違う名称で公開されているかもしれません)、インターネット上の記事やニュースでも、10代や20代でも流行していると紹介されることが増えています。実際のところ、皆さんの周囲ではどうでしょうか。MBTIは人の性格を16タイプに分類できるというものです。そのわかりやすさと、オンラインで無料で手軽に受けることができる点が魅力的なのかもしれません。ところが、正式なMBTIの権利を有する一般社団法人日本MBTI協会からは、インターネット上でMBTIと称するテストは正式なMBTIではない、と注意喚起がなされています。詳しくはこちら
そうなると、インターネット上でMBTIとして性格を調べることができるサイトやそのテストは、いったい何を測るテストなんでしょうか。皆さんは、インターネット上でいったい何を受けてきたのでしょうか。さらに複雑なことに、正式とされるMBTI自体も科学的根拠に乏しいことが多くの研究から批判されているようです。こうなると何を信じてよいかわからなくなってしまいますね。ただし、少なくとも正式なMBTI自体は、科学的な検証が蓄積された上で批判がなされているということです。その一方で、MBTIと称してインターネット上で公開されているテストは、何を測定しているのか、測定したいものを本当に測定できているのか、それらが検証されているかどうか怪しいと考えることができます。

 インターネット上ではこういった科学的に検証されていなかったり、検証されているかどうかあいまいなテストがたくさん見受けられます。インターネット上では人の性格を調べるテストだけでなく、心理テストと称して、自分のストレス、IQ(知能指数)、EQ(情動知能)などを測定できるなど様々なテストが公開されています。また特定の心の病気や障害に自分が当てはまるかどうかをチェックできるテストなども公開されています(うつ病、発達障害、パーソナリティ障害など)。実際はこれらのテストは、独自に作成されていたり、科学的な検証を経ていなかったり、妥当性の怪しいものが大半です。「科学的」を装っているものもありますので、まったく疑っていなかった、という人もいるかもしれません。しかし、こういったテストの結果を鵜呑みにして、自分を理解したり、何か判断を下すのは避けたほうがいいでしょう。

 このような心理テストが世の中で流行したり、話題になったりするのは、それだけ人が自分や他人の性格や心に関心がある、ということを反映しているのではないでしょうか。学生の時期は、対人関係や就職活動などきっかけに自分について思い悩むこともあります。自分ついて考えたり、知りたいと思うときに、学生相談室の利用をぜひ一つの選択肢として考えてみてください。

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