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健康サポートセンターだより RSS

2021/08/06 13:20:00 自分の気持ちを知ること、気づくこと

  • Category学生相談室だより
  • Posted by学生相談室
 
 今回は気持ち(感情)について少し考えてみたいと思います。

 うれしかったり,楽しかったり,わくわくしたり。時には落ち込んだり,悲しんだり,腹を立てたり,などなど。日々,人は様々な気持ちを感じているものです。いつもおだやかな気持ちでいる人,何事にもいつも動じずに感情の起伏が少ない人,よく笑ってよく泣いてがモットーの人,どうありたいかは別として,気持ちの表現は人によってさまざまです。同じ状況でも,どんな気持ちを感じて,それを外にどこまで表現するのかは,人によって違い(個人差)があります。また気持ちの表現については,文化差もあると言われています。日本人は欧米圏の人たちと比べて,感情をあまり外に表出しないとよく言われます。また国を問わず,男性は女性よりもあまり感情を表現しないという性差が報告されることも多いです。これは生物的な差というよりもジェンダーの影響が大きいかもしれませんね。

 ポジティブな気持ちは喜ばしいことで,それを感じるのが嫌だという人はあまりいないのではないでしょうか。しかし,ネガティブな感情というと,少し話が変わってきます。できるだけ悲しい思いをしたくない,落ち込みたくはない,腹が立つようなことは避けたいと思う人が多いのではないでしょうか。しかし,人が感じる気持ちというのはネガティブな感情にも,役割があるとされています。怒りは自分の大切な権利が侵害されたことを教えてくれているのかもしれません。不安は自分に何らかの身の危険が近づいていることを知らせてくれているかもしれません。ネガティブな感情であっても,その感情自体を感じることが悪いわけではありません。でも,子どものころに「そんなことで泣くんじゃないの」と言われたことはありませんか。いつの間にか,大人になるにつれて,人はネガティブな感情は感じないほうがいいと思いがちなのかもしれません。ネガティブな感情を感じることが悪いわけではなく,問題なのは強い感情を抱くことで,自分がそれに振り回されてしまうことです。怒りに身を任せてしまって人を殴ってしまったら人間関係は壊れてしまいますよね。心配が強すぎて,何も手につかなくなってしまったら日常生活が立ち行かなくなってしまうかもしれません。

 自分自身が強い感情に振り回されないためには,まず自分の感情をよく知ることが第一歩です。例えば,知らず知らずになんだか気分が沈んでいるなと思ったときに,よくよく振り返ると,あの時にあの人に言われた言葉が嫌だったんだと気づき,少し気持ちが落ち着くことはありませんか。あるいはもやもやした気持ちでいるときに,誰かに話をしていくと,だんだんと気分が上向いたり,もやもやの原因が見えてきたり,といった経験はありませんか。
 
 自分の気持ちに気づいて,誰かに聞いてもらうことや言葉や文章にして外に表現することは,自分の心の安定にとってとても大事なことです。そのためにはまずは自分の気持ちに名前を付けてみましょう。そのときに下記のような本が参考になるかもしれません。この本は気持ちを表す言葉をわかりやすく,かわいい絵で説明しています。子ども向けの本ですが,大人でも参考になると思います。「すがすがしい」「ほこらしい」「うろたえる」「もどかしい」など意外と大人でもうまく説明できない複雑な気持ちもわかりやすく説明がされていますよ。

キム・ヒョウン(2020)清水知佐子(訳)「9歳のこころのじてん」小学館
https://www.shogakukan.co.jp/author/13629

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