2013/06/06 00:20:00 ラテンアメリカ教養講座 「ブラジルの酒―火酒と葡萄酒」
イベント
住田 育法
6月5日(水)18時15分~19時40分まで、京都ラテンアメリカ研究所主催の教養講座『嗜好品でめぐるラテンアメリカ』で、「ブラジルの酒―火酒と葡萄酒」について報告しました。キリスト教では葡萄酒(ワイン)がミサに登場しますが、日本では日本酒が神聖な儀式に使われます。ブラジルでは砂糖キビの火酒、カシャッサが神聖な意味を持ちます。黒人宗教とキリスト教のシンクレティズムの神に奉げられます。地域の歴史と風土によって酒は内容を変えます。生産者、消費者双方のまなざしからブラジルの酒の魅力を語りました。
カシャッサが、ブラジル文化を代表する酒と世界で認められるのは1994年、ブラジルを代表する輸出品と米国がみなしたのは2012年と、比較的最近のことです。しかし、植民地時代の1661年、宗主国ポルトガルは植民地ブラジルのカシャッサの醸造を認めています。カシャッサはブラジル文化にとって、2つの重要な意味を持ちます。それは、ワインとは異なり、民衆のものであり、新世界ブラジルの産物であること、第2には植民地時代の砂糖生産を支えた、黒人の嗜好に繋がるものであったことです。
ポルトガルの植民地でありながらその特産品のワインではなく、カシャサがブラジルで支持された背景は、まず、ヨーロッパとは異なり、熱帯であったこと。第2には、ポルトガル本国が植民地ブラジルの工業を禁止したことから、工業と農業が融合した、ワインの生産が発達できなかったためです。3つ目は、ブラジルの食文化が、ワインを求めるようなものではなかったからです。
北東部のセアラの「Ypióca」とサンパウロの「51」を試飲していただきました。オーク材のような樽を利用していない、透明な酒ですから、カイピリーニャなどのカクテルに合うのですが、そのままのもを準備しました。子供のためのカトリックの6月祭には、カイピリーニャとしてふるまわれます。ちょうど、日本の甘酒のようなものでしょう。今では、ウィスキーやブランデーのように、カッシャサが、旅行中の機内サービスに登場します。
「京を掘る:ブラジルの酒「カシャッサ」味わい、教養講座−−京都ラテンアメリカ研究所 /京都」の見出しで毎日新聞(2013年06月25日)の地方版に紹介されました。
カシャッサが、ブラジル文化を代表する酒と世界で認められるのは1994年、ブラジルを代表する輸出品と米国がみなしたのは2012年と、比較的最近のことです。しかし、植民地時代の1661年、宗主国ポルトガルは植民地ブラジルのカシャッサの醸造を認めています。カシャッサはブラジル文化にとって、2つの重要な意味を持ちます。それは、ワインとは異なり、民衆のものであり、新世界ブラジルの産物であること、第2には植民地時代の砂糖生産を支えた、黒人の嗜好に繋がるものであったことです。
ポルトガルの植民地でありながらその特産品のワインではなく、カシャサがブラジルで支持された背景は、まず、ヨーロッパとは異なり、熱帯であったこと。第2には、ポルトガル本国が植民地ブラジルの工業を禁止したことから、工業と農業が融合した、ワインの生産が発達できなかったためです。3つ目は、ブラジルの食文化が、ワインを求めるようなものではなかったからです。
北東部のセアラの「Ypióca」とサンパウロの「51」を試飲していただきました。オーク材のような樽を利用していない、透明な酒ですから、カイピリーニャなどのカクテルに合うのですが、そのままのもを準備しました。子供のためのカトリックの6月祭には、カイピリーニャとしてふるまわれます。ちょうど、日本の甘酒のようなものでしょう。今では、ウィスキーやブランデーのように、カッシャサが、旅行中の機内サービスに登場します。
「京を掘る:ブラジルの酒「カシャッサ」味わい、教養講座−−京都ラテンアメリカ研究所 /京都」の見出しで毎日新聞(2013年06月25日)の地方版に紹介されました。
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レモンと砂糖のカイピリーニャ この他、日本のレモンやイチゴ、キウイ、パッションフルーツ、ブドウなども。 ブラジリアのレストランにて
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カッシャサからカイピリーニャを作る リオのサントス監督宅
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カッシャサに合うフェイジョアーダ 独特のとろみは豚骨から