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ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS

2025/01/29 14:00:00 KUFSでの思い出(2)―加々美愛マリアンジェラさん(2009年度卒)

  • Category卒業生の今
  • Posted byペドロ・アイレス
本学科卒業生の加々美愛マリアンジェラさんから、「KUFSでの思い出(2)」をご寄稿いただきました(全3回)。

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③語劇
ポルトガル語研究会に所属していました。中高6年間、演劇部に所属していたので、「ポルトガル語で芝居ができるなんて!」と、滅多にできない経験ができる環境に大変興奮しました。
2年次のとき、高校時代の友人が書いた悲恋系の脚本をお借りして、部員全員でポルトガル語に翻訳し、先生方や母に協力をお願いして脚本を完成させました。
演劇部員だった知識と技術が功を奏し、ほぼ全ての賞をポル研が受賞し、総合優勝も果たしました。舞台上で、部員たちが私を胴上げしてくれました。
賞の獲得で評価されたことも嬉しかったですが、私たちの芝居を見て、ブラジル人の先生が涙を流してくださったことが何よりのご褒美でした。私たちのポルトガル語が、脚本の「悲恋」という切ない世界観を表現し、ネイティブの方の心に通じたという事実が、言葉では表現できないほどの感動と喜びを私に与えてくれました。


④サンパウロ大学留学
3年次の秋、「留学しないか」という話が突然浮上しました。なかなか決断できなかったところで、最後に背中を押してくださったのはペドロ・アイレス先生でした。
「チャンスは、欲しくても巡ってこない。失ったら取り戻せない。今、愛さんにはチャンスがある」
この言葉をきっかけに、私はすぐに留学の準備を始めました。
11月末に決断し、2月に渡航するという異例の事態で、地元の東京まで書類を集めに奔走しました。大学事務局もこの例外的な出来事に迅速に対応してくださいました。
留学先では、勉強を頑張りすぎたストレスで、髪の毛が半分抜けてしまいました。「大学院で前置詞の辞書を作りたい」というマニアックな夢がありましたが、この事態を受けて諦めました。
ですが、サンパウロでの様々な出会いを経て、俳優の道に進む決断をしました。KUFS卒業後の俳優の養成所で経験したこともまた、ポルトガル語の発音の先生として活動するための基礎となりました。

休学をして留学したので、一緒に卒業する友人はほとんどいませんでした。卒業式には控えめに出席しようと考え、東京の自宅で気を抜いていたところ、大学事務局から「学科代表として、卒業証書を受け取ってほしい」という連絡がありました。急いで卒業袴を手配しました。
大変光栄なことでした。最後の最後に「私はKUFSを愛し、KUFSに愛されている」という実感がどんどん膨らんでいき、現在でもその気持ちを抱いています。

※KUFSの思い出(3)に続く

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