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ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS

2023/11/17 13:00:00 本学科卒業生が『ブラジル日系人の日本社会への貢献』(梅田邦夫著)に取り上げられる

  • Categoryお知らせ
  • Posted byフェリッペ・モッタ
この度、本学科の卒業生である井手口カーレン睦美さん(2016年度卒)が『ブラジル日系人の日本社会への貢献』(梅田邦夫著、東京図書出版 2023年)に取り上げられました。

本書籍は日本で活躍するブラジル日系人、または在日日系人の歴史を紹介するもので、著者の梅田氏は外務省出身で駐ブラジル特命全権大使を歴任された方です。

井手口さんは1993年の生まれの日系3世です。京都外国語大学ブラジルポルトガル語学科を卒業された後は大阪府の貿易会社や鳥取県の町役場で働き、2022年に「am国際行政書士オフィス」を開設されました。同級生の國政洋平さんと結婚されています。

かつて井手口さんと國政さんにポルトガル語を教えた本学科長の伊藤秋仁教授はお二人のことを下記のように回想しています。

「在日ブラジル人の学生がブラジルポルトガル語学科に入学することで、学生自身が自身のアイデンティティにフォーカスするだけでなく、学生の家族全体がブラジルというルーツに再び向き合うようになるという姿を何度か見てきました。井手口さんのサンパウロ大学への派遣留学がそのハイライトでしたね。我々教員もそんな学生たちやご家族の姿を見るととても幸せな気分になります。國政君も非常に積極的な学生で、弁論大会に出たり、ポルトガル語研究会で活躍したり、留学したり、ボランティア活動をしたり、あんまり勉強は熱心ではなかったような気もしますが(笑)生涯の伴侶を見つけたり(こちらは熱心だった)、充実した青春時代をブラジルポルトガル語学科で送っていました。Felicidades para suas vidas futuras juntos!」

この度の書籍の刊行に際して井手口さんは「こちらの本に取り上げていただくにあたって、京都外国語大学での学生生活がなければ今の私はいないといっても過言ではないくらい、京都での学生生活とブラジルへの派遣留学は大きな影響を与えています。
現在の行政書士という仕事に出会ったのも、伊藤先生からの影響がとても大きいです。伊藤先生は帰化の手続きにあたって、たくさん背中を押してくれました。
また、私自身がブラジル人のアイデンティティとしっかり向き合えたのは、京都外大に入学してからミドルネームの「カーレン」という名前を周りに呼ばれ始めてからです。
ポルトガル語のスピーチコンテストや、京都外大で開催された弁論大会などに積極的に参加し、そこで自身のアイデンティティについて、名前についてスピーチしたことで徐々に受け入れていったと思います。ピカイチプログラムでブラジル人学校の日本語ボランティアや進学支援の団体で活動したことも、今のNPO法人ABCジャパン群馬支部代表の活動にも大きくつながる部分があります。また、授業の内容で、ブラジル・ポルトガルの文化や歴史、移民の歴史などを学ぶことで、より自分自身のルーツに興味が沸き、ブラジルへ行った時に博物館や資料館などでブラジルや世界からみた視点でのそれらについてより吸収することができました。今の私を作り上げたすべての好奇心やアイデンティティに向き合うきっかけは京都外大で培われたものです。現在自分で仕事をしていく上で、京都外大で学んだすべてのことが活きているので、これからもまだまだ色んなことに挑戦していく上で、その姿が後輩たちの背中を少しでも押すことができればいいな、と思っています」とご感想を述べられました。

本学科の教員一同は井手口さんと國政さんのますますのご活躍を応援しています。Parabéns!

本書は学科共同研究室に配架されるので、現役生の皆さんも手に取ってみてください。
  • 『ブラジル日系人の日本社会への貢献』の表紙 『ブラジル日系人の日本社会への貢献』の表紙
  • 井手口さん 井手口さん
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