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ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS

2022/12/14 14:10:00 ブラジル独立200周年記念シンポジウム(実施報告)

  • Categoryイベント
  • Posted by岐部雅之
12月10日(土)、本学にてブラジル独立200周年記念シンポジウム「社会の鏡としてのブラジル文学」(京都外国語大学ブラジルポルトガル語学科・京都外国語大学ラテンアメリカ研究所主催、駐日ブラジル大使館後援)が開催されました。

基調講演では、旦敬介教授(明治大学)が「ラテンアメリカの中のブラジル文学」と題して、マリオ・バルガス=リョサ『世界終末戦争』の翻訳を通じてのブラジルとの出会いから、サルヴァドール滞在時の個人的な経験、スペイン語圏文学とポルトガル語圏文学の特徴について話されました。言語や絵画への言及もあり、大変興味深い講演内容でした。

続く研究発表ではまず、江口佳子准教授(常葉大学)がブラジル人作家リジア・ファグンジス・テーリス『三人の女たち』を取り上げ、20世紀後半のブラジル社会の状況を踏まえながら、物語の多声性について発表いただきました。同小説の翻訳は、本年9月に水声社から刊行されています。

本学からは、岐部雅之講師とフェリッペ・モッタ講師が研究発表を行いました。2021年度に始まった学内共同研究「ブラジル短編小説アンソロジーを編む―20世紀ブラジル社会の再構築の試み」(国際言語平和研究所)で翻訳した短篇小説の中から、それぞれサッカー(オリージェネス・レッサ「エスペランサ・フットボールクラブ」)とカーニバル(アニーバル・マシャード「サンバガールの死」)をテーマに20世紀のブラジル文化の一端を考察しました。

シンポジウム最後のパネルディスカッション(コーディネーター:伊藤秋仁教授)では、参加者からの質問を受けて、ブラジルの読者層やブラジル人作家と外国文学との関係について、研究発表者が各々の見解を述べました。限られた時間の中、活発な質疑応答が行われました。

なお、本学教員を中心とする共同研究のメンバーで翻訳した『ブラジル文学傑作短篇集』(水声社)は、2023年2月末に刊行される予定です。
  • 旦敬介教授(明治大学)

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