2020/04/03 20:20:00 映画で学ぶブラジル北東部の民
- ブラジル紹介
- 住田 育法
※皆さん、パソコンで学びましょう!
ブラジル人クレベル・メンドンサ(Kleber Mendonça)とジュリアーノ・ドルネレス(Juliano Dornelles) の二人の共同監督作ブラジル映画『バクラウ』が、2019年5月の第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝き、このDVD作品が2019年末にブラジルで発売されました。幸いにも、本学の教授が2020年3月のブラジル訪問の「お土産」にこのDVD(写真参照)を持ち帰ってくださいました。早速、鑑賞しました。
これからこの映画を観る予定の方のために、詳しいストーリーは秘密にします。しかし昨年の学科のブログで紹介したように、ネット情報によれば『バクラウ』は、ブラジル北東部ペルナンブコ州「奥地」の小さな村バクラウで展開した、西部劇などにヒントを得た銃による暴力アクション映画です。過去のイタリア制作の西部劇『夕日のガンマン(For a Few Dollars More)』(1965年)を改めて鑑賞するとカメラアングルなどがよく似ています。
具体的には、カンガセイロ(cangaceiro)と呼ばれるブラジル特有の匪賊(ひぞく)の子孫にあたるコミュニティが強力なよそ者 (gringo)や政権側の勢力と銃によって戦うという冒険科学フィクションです。想像の賜物ですが、ブラジル北東部民衆の義賊的盗賊であるカンガセイロへの期待が、おとぎ話のように描かれています。村の名Bacurauは鳥の名前(写真参照)に由来すると映画の中で語られています。
イタリア制作の西部劇『夕日のガンマン』の12年前の1953年に日本で『野生の男』の題で公開されたブラジル映画『カンガセイロ』(写真参照)も『バクラウ』と同じく、ブラジル北東部(ノルデステ)奥地(セルタン)を舞台に銃で闘う異種族混淆の民カンガセイロが扱われています。始まりの場面は、白黒映画ですが、夕日の落ちた地平線のかなたを、乾季の空をバックに、匪賊たちのシルエットが歌に合わせて移動します。最後の場面も、匪賊の姿が同じように美しく描かれています。肌の色の黒い匪賊の首領に逆らって女性を救った白人の匪賊が掟に従って命を落とします。
映画監督が意図する政治的寓意とは離れて、ブラジルの古い文化を愛するブラジルの皆さんのまなざしに立って、北東部奥地の風景やフォルクローレを楽しみながら、映画『バクラウ』を鑑賞することをお勧めします。残念ながら、未だ日本語版はありませんが。
ブラジル人クレベル・メンドンサ(Kleber Mendonça)とジュリアーノ・ドルネレス(Juliano Dornelles) の二人の共同監督作ブラジル映画『バクラウ』が、2019年5月の第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞に輝き、このDVD作品が2019年末にブラジルで発売されました。幸いにも、本学の教授が2020年3月のブラジル訪問の「お土産」にこのDVD(写真参照)を持ち帰ってくださいました。早速、鑑賞しました。
これからこの映画を観る予定の方のために、詳しいストーリーは秘密にします。しかし昨年の学科のブログで紹介したように、ネット情報によれば『バクラウ』は、ブラジル北東部ペルナンブコ州「奥地」の小さな村バクラウで展開した、西部劇などにヒントを得た銃による暴力アクション映画です。過去のイタリア制作の西部劇『夕日のガンマン(For a Few Dollars More)』(1965年)を改めて鑑賞するとカメラアングルなどがよく似ています。
具体的には、カンガセイロ(cangaceiro)と呼ばれるブラジル特有の匪賊(ひぞく)の子孫にあたるコミュニティが強力なよそ者 (gringo)や政権側の勢力と銃によって戦うという冒険科学フィクションです。想像の賜物ですが、ブラジル北東部民衆の義賊的盗賊であるカンガセイロへの期待が、おとぎ話のように描かれています。村の名Bacurauは鳥の名前(写真参照)に由来すると映画の中で語られています。
イタリア制作の西部劇『夕日のガンマン』の12年前の1953年に日本で『野生の男』の題で公開されたブラジル映画『カンガセイロ』(写真参照)も『バクラウ』と同じく、ブラジル北東部(ノルデステ)奥地(セルタン)を舞台に銃で闘う異種族混淆の民カンガセイロが扱われています。始まりの場面は、白黒映画ですが、夕日の落ちた地平線のかなたを、乾季の空をバックに、匪賊たちのシルエットが歌に合わせて移動します。最後の場面も、匪賊の姿が同じように美しく描かれています。肌の色の黒い匪賊の首領に逆らって女性を救った白人の匪賊が掟に従って命を落とします。
映画監督が意図する政治的寓意とは離れて、ブラジルの古い文化を愛するブラジルの皆さんのまなざしに立って、北東部奥地の風景やフォルクローレを楽しみながら、映画『バクラウ』を鑑賞することをお勧めします。残念ながら、未だ日本語版はありませんが。