2019/03/21 21:20:00 ポルトガル語圏研究のすすめ(3)
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- 住田 育法
これまで、学生の皆さんの研究には、参考文献を読んで出会うキーワードが大切だと説明しました。
今回は、参考文献で獲得する、あるいは、「芸ごとのコツ」のように「ぬすむ」 (参考: 梅棹忠夫著『知的生産の技術』岩波新書、1969年、1ページ) ことができる「技術」の話をしましょう。
取り上げる重要参考文献は、次の訳注本 (写真) です。
『フロイス 日本史 8』訳者 松田毅一 川崎桃太 1978年12月20日発行 中央公論社 (東京都中央区京橋2-8-7)
この訳注本の158~167ページは、京都外国語大学付属図書館が1975年4月10日に入手したルイス・フロイス執筆の日本関係イエズス会文書 (1587年8月5日付、平戸発信) の一部と一致します。
皆さんに紹介したい「コツ」とは、まずこの『フロイス 日本史 8』の最後の引用参考文献目録を丁寧に読むことから学ぶことができる偉大な先人の知恵です。
参考にしたいのは、参考文献の書き方です。
備考を紹介します。
1. 邦文献と欧文献に分け、前者は著訳編者名を五十音順に、後者は著者名をABC順に配列し、古文献などは書名を冒頭に置いた。
2. 訳書は、原則的には、訳者名の箇所に掲げた。原著は欧文の部を参照されたい。
この後、邦文献が、348~363ページまで。欧文献が、363~367まで載っています。
今から44年前の『京都新聞』に掲載された記事を本学付属図書館のネット情報から読むことができます。
その一部を紹介します。学生の皆さんが、学びの「コツ」に近づくためのヒントになれば幸いです。
京都新聞 昭和50(1975)年5月5日(月)
ポルトガルの宣教師 ルイス・フロイス著「日本史」
京外大図書館で全巻復元
以下、記事の引用です。
戦国時代末期の激動を記録したポルトガルの宣教師ルイス・フロイスの『日本史』全巻が京都外国語大学付属図書館 (森田嘉一館長) で復元された。執筆から四百余年、世界各地を転々とし、その一部は一次、行え不明となるなど数奇な経路と内容を秘めた著作が本家・日本で初めて完全に復元されたわけで、わが国の中世研究の貴重な史料として注目される。
(中略)
この『日本史』原稿は、その後、マカオ (写真) に送られたが、19世紀に焼失 (写真)。ところが、その前の18世紀半ばに宣教師モンターニャによって写本三通が完成しており、この写本は、ポルトガル (リスボン) 、マニラ、スペイン、フランスなどを転々。今から80年前にやっとその一部がポルトガルの図書館で発見され、全巻が出そろうのは昭和6年まで待たねばならなかった。ところが、その後また、83~87年の部分が行方不明となり、全巻の復元ができない状態となった。
この数奇な書物の解明に努力している同大学の川崎桃太教授が昨秋、留学先のポルトガル国立図書館で欠陥部分を発見し、マイクロ・フィルムに転写。共同研究者の松田毅一教授が所蔵している他の部分のマイクロ・フィルムと合わせ、この4月に全巻復元が成った。
(以下省略)
今回は、参考文献で獲得する、あるいは、「芸ごとのコツ」のように「ぬすむ」 (参考: 梅棹忠夫著『知的生産の技術』岩波新書、1969年、1ページ) ことができる「技術」の話をしましょう。
取り上げる重要参考文献は、次の訳注本 (写真) です。
『フロイス 日本史 8』訳者 松田毅一 川崎桃太 1978年12月20日発行 中央公論社 (東京都中央区京橋2-8-7)
この訳注本の158~167ページは、京都外国語大学付属図書館が1975年4月10日に入手したルイス・フロイス執筆の日本関係イエズス会文書 (1587年8月5日付、平戸発信) の一部と一致します。
皆さんに紹介したい「コツ」とは、まずこの『フロイス 日本史 8』の最後の引用参考文献目録を丁寧に読むことから学ぶことができる偉大な先人の知恵です。
参考にしたいのは、参考文献の書き方です。
備考を紹介します。
1. 邦文献と欧文献に分け、前者は著訳編者名を五十音順に、後者は著者名をABC順に配列し、古文献などは書名を冒頭に置いた。
2. 訳書は、原則的には、訳者名の箇所に掲げた。原著は欧文の部を参照されたい。
この後、邦文献が、348~363ページまで。欧文献が、363~367まで載っています。
今から44年前の『京都新聞』に掲載された記事を本学付属図書館のネット情報から読むことができます。
その一部を紹介します。学生の皆さんが、学びの「コツ」に近づくためのヒントになれば幸いです。
京都新聞 昭和50(1975)年5月5日(月)
ポルトガルの宣教師 ルイス・フロイス著「日本史」
京外大図書館で全巻復元
以下、記事の引用です。
戦国時代末期の激動を記録したポルトガルの宣教師ルイス・フロイスの『日本史』全巻が京都外国語大学付属図書館 (森田嘉一館長) で復元された。執筆から四百余年、世界各地を転々とし、その一部は一次、行え不明となるなど数奇な経路と内容を秘めた著作が本家・日本で初めて完全に復元されたわけで、わが国の中世研究の貴重な史料として注目される。
(中略)
この『日本史』原稿は、その後、マカオ (写真) に送られたが、19世紀に焼失 (写真)。ところが、その前の18世紀半ばに宣教師モンターニャによって写本三通が完成しており、この写本は、ポルトガル (リスボン) 、マニラ、スペイン、フランスなどを転々。今から80年前にやっとその一部がポルトガルの図書館で発見され、全巻が出そろうのは昭和6年まで待たねばならなかった。ところが、その後また、83~87年の部分が行方不明となり、全巻の復元ができない状態となった。
この数奇な書物の解明に努力している同大学の川崎桃太教授が昨秋、留学先のポルトガル国立図書館で欠陥部分を発見し、マイクロ・フィルムに転写。共同研究者の松田毅一教授が所蔵している他の部分のマイクロ・フィルムと合わせ、この4月に全巻復元が成った。
(以下省略)