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ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS

2019/03/18 18:30:00 ポルトガル語圏研究のすすめ(1)

  • Categoryブラジル紹介
  • Posted by住田 育法
 ポルトガル語圏の人々の文化や社会の形成の過程とその特徴に注目して、特に熱帯の新世界ブラジルを取りあげて、学生の皆さんの入学直後にはレポート、卒業前のゼミでは論文の執筆を指導しています。

 皆さん、大切なのは良いキーワード (keyword) に出会うことです。

 では、どこに研究のためのキーワードがあるのでしょうか。
 それは、先輩たちが利用した参考文献の中にあります。

 私のゼミ生の多くが「ブラジルのコーヒー」について取り上げています。そこで、このテーマについて文献の検索をすると以下の書名に出会います (写真)。

服部洋生著『ブラジル・コーヒーの歴史』1973年9月、パウリスタ美術印刷株式会社 (聖市オスカル・シントラ・ゴルジンニョ街46番)。

 この文献の「目次」には、皆さんが研究に利用できるキーワードが溢れています。

目次
第Ⅰ部 コーヒーの由来と伝播
 第Ⅰ章 コーヒーの由来/第Ⅱ章 近東への伝播と迫害/第Ⅲ章 ヨーロッパ諸国への伝播/第Ⅳ章 ラテン・アメリカへの導入
第Ⅱ部 ブラジルへの導入とその発展過程
 第Ⅰ章 植民地時代のコーヒー (1727~1822)/第Ⅱ章 帝制時代のコーヒー (1822~1889)/第Ⅲ章 コーヒーを巡る社会経済事象/第Ⅳ章 共和政初期のコーヒー
第Ⅲ部 今世紀のコーヒー
 第Ⅰ章 今世紀初期のコーヒー (1907~1928)/第Ⅱ章 コーヒーの好況時代 (1922~28)/第Ⅲ章 生産過剰とコーヒー・ドラマ/第Ⅳ章 ブラジルのコーヒー政策/第Ⅴ章 コーヒー栽培の合理化/第Ⅵ章 コーヒー国際協定/第Ⅶ章 ブラジルのコーヒー事情/第Ⅷ章 2大生産州の生産事情/第Ⅸ章 コーヒーの種類、規格及び工業化問題/第Ⅹ章 コーヒーと降霜/第XI章 在伯邦人とコーヒー栽培/第XII章 世界のコーヒー事情/第XIII章 コーヒー国際価の推移/第XIV章 その他諸相/第XV 結び

 コーヒーの歴史につながる奴隷売買 (写真) やリオデジャネイロのコーヒー生産地域 (写真) の出来事も、新しいキーワードに加えることができるでしょう。
 参考文献は、本学付属図書館や指導の先生方の研究室にあります。頑張って、書店で購入して、線を引きながら読むことも出来るでしょう。

 いつも、学生の皆さんの、知的な生活を応援します。
  • 多くの先輩たちが利用した本学付属図書館所蔵の1973年発行の重要文献です。
  • 服部著『ブラジル・コーヒーの歴史』で「グアナバラ湾の荷揚場でコーヒー園に行く奴隷を売買している光景」と紹介している21世紀にユネスコ世界遺産に登録されたヴァロンゴ埠頭の絵。
  • 同書で紹介している「フルミネンセのコーヒーの中心地、ヴァソーラス」の写真。

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