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ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS

2018/10/23 14:30:00 2018年10月24日、マカオと香港結ぶ大橋ついに開通

  • Categoryマカオのニュース
  • Posted by住田 育法
 「まさか」の話題がなんと「ほんまもん」になりました。

 ターボジェットで 1 時間かかる距離。そこに橋を架けるというのは、「話だけ」ぐらいに思っていました。
 
 ポルトガル語で、a Ponte Hong Kong-Zhuhai-Macau、英語でHong Kong–Zhuhai–Macau Bridge、中国語で港珠澳大橋 (写真)。
 
 10月23日に中国本土の広東省珠海と、中国に返還された香港、そしてマカオを結ぶ上記の海上橋の開通式が珠海で開かれ、24日にいよいよ一般車両の開通となります。海底トンネルなどを含めた全長は55キロメートルで、海上橋としては世界最長です(参照: 地図)。23日の記念式は中国の習近平 (シー・ジンピン) 国家主席が出席して、珠海で開催されました。

 マカオのテレビも 23日の記念式をニュースで報じています

 この本学のブログで、『阿片戦争』を読みパクス・ブリタニカのマカオを想う (5)と題して、以下のように書きました。

  第五部「奇襲の夜」
 西玲のからだには、二つの民族の血が流れている。中国人として育ったが、貿易港の広州や外国人の多いマカオで暮らしてきた。彼女はつねに、どっちつかずの位置にいた。


 マカオは、中国への復帰後の2005年に、東洋と西洋の文化が融合・共存してきた歴史地区が、ユネスコの世界遺産に登録されます。この東西文化の出会いが、19世紀の阿片戦争のときにも、マカオで起こっていました。さらに香港はイギリスの植民地となりますが、マカオはポルトガルの植民地としてではなく、居住と交易の許可を与えられた永久居留地として、阿片戦争以後も歴史を紡ぎました。その食文化のひとつが混ざり合いの文化の果実「アフリカンチキン」です。
 さらに21世紀の今、中国返還後の香港とマカオをつなぐ巨大な港珠澳大橋 (Hong Kong–Zhuhai–Macau Bridge) が完成します。これもまさに、平和な交流の姿の反映でしょう。

 大橋建設のプロジェクトは平和な経済開発の姿ですね。
 日本経済新聞も、「米国との貿易戦争が深刻になる中、ハイテク企業が集まる深圳や自動車産業の中心地である広州と金融・物流センターの香港を結びつけて、経済のけん引役としたい考えだ」と紹介しています。

 数字を見ると、総工費は1千億元 (約1兆6千億円)を超えるそうです。中国資本ですね。時間では船 (ターボジェット) で1時間かかっていたマカオ香港が大幅に短縮されて車で30分ぐらいとなるようです。

 日本の関西空港からマカオ空港にマカオ航空で行く方法もありますが、私はいつも予約を取れず、香港国際空港経由での旅行でした。これからは、香港からマカオ (写真) への移動はバスを利用することになるでしょう。
  • 2年前にターボジェットの窓の内側から撮影した建設中の大橋。
  • マカオと香港間の「大橋」建設予定のルート図
  • 赤い丸のあたりがマカオ側の大橋の出発点。2017年11月にターボジェットの中から撮影。

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