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ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS

2018/08/04 16:40:00 経済の量と地理的空間で知るブラジルと中国の台頭

  • Categoryブラジル紹介
  • Posted by住田 育法
 ポルトガル語圏のブラジルと中国は、ポルトガル語と中国語を公用語としているマカオで繋がっています。学位を有する中国人のポルトガル語教育者をマカオのポルトガル語高等教育機関のマカオ大学やマカオ理工学院が育て、この中国人たちが中国の複数の大学でポルトガル語教育を実践しています。すでに中国では、20以上の大学でポルトガル語コースが生まれています。そして、ポルトガル語ができる中国人の若者を中国は南米やアフリカのポルトガル語圏諸国 (写真はその国旗)に送り出しているのです。グローバルに活躍する民間の中国人を国家が支援するというのが、日本にはない中国の強さの背景です。

 ブラジルと中国の関係は、20 世紀末から成長の速度を上げてきたブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興 5 カ国(BRICS)の協力関係においても注目されています。世界の目が向かう最大の理由はその量のすごさです。
 まず、人の数です。現在、世界の総人口は2017年の推計で73億を超えているそうですが、中国が、一位の13億9千万、二位のインドが13億2千万、五位がブラジルで2億1千万、九位がロシアの 1億4千万、そして南アフリカが5千万です。合計が31億1千万となり、この 5 カ国のみで全人類の42パーセントを超えています。
 二つ目の量は経済の規模です。日本を抜いてGDP世界二位の中国、そして八位のブラジル。BRICSではインドが六位、ロシアが十二位、南アフリカが三十三位です。

 ちょうど今年の7月27日にBRICS (写真) 各国は南アフリカで首脳級の拡大会議を開催し、これには、エチオピアなどアフリカ 9 カ国が協議に加わりました。さらに、トルコやアルゼンチンなどと経済連携について話し合っています。
 注目すべきは、 中国の国家主席が米国に警戒感を示して、新興国との結束を強調したことです。欧米主導の秩序への対抗を目指したBRICS首脳会議は今回が 10 回目です。世界の国内総生産(GDP)の約2割を占めて経済のけん引役として期待されましたが、足元で構成国の多くが景気減速し、存在感の低下が指摘されてきました。日本経済新聞は次のように書いています。

 中国は独自の経済圏「一帯一路」構想などで勢力拡大を図っている。米国に次ぐ世界2位の経済大国として、BRICSでの主導権を握りたい考えだ。BRICSを「米国に対抗する多数国」という構図にするために利用する思惑が見え隠れする。

 2019年のBRICS首脳会議はブラジルで開催されます。ブラジルは南米南部共同市場(メルコスル:写真)参加のアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイをけん引する国です。中国はこのグループにも接近を望んでいるようです。世界の「米中逆転」がただちに起こるとは思いませんが、着実に、経済の量や地理的空間の場で良い条件にあるブラジルを含めて、新興国の台頭が本物になりつつあるようです。
  • ポルトガル語圏諸国共同体とその諸国の旗
  • 2018年のBRICS首脳会議の首脳たち
  • メルコスル主要国の国旗 左からアルゼンチン、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ

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