お知らせ
2025/01/22 15:20:00 カルヴァーリョ先生がラジオ番組に出演
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岐部雅之
本学科のカルヴァーリョ教授がNHK WORLD JAPANのラジオ番組(“Ponto de Encontro”:1月19日配信)に出演し、日本におけるポルトガル語教育の歴史と現状などについて語っています。
リンク先からぜひご視聴ください。
リンク先からぜひご視聴ください。
2025/01/04 14:00:00 NHKカルチャー京都教室 短期講座
お知らせ
岐部雅之
本学科のペドロ・アイレス准教授が、NHKカルチャー京都教室にて短期講座「歴史と文化に学ぶ!ポルトガル語はじめの一歩」を行います。
開催日
1/20(月) 14:00~15:30
2/10(月) 14:00~15:30
詳細は以下のリンクからご覧ください:
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1301627.html
開催日
1/20(月) 14:00~15:30
2/10(月) 14:00~15:30
詳細は以下のリンクからご覧ください:
https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1301627.html
2024/11/19 13:10:00 神戸阪急にて開催/ポルトガル関連イベント
お知らせ
岐部雅之
本学科の卒業生である深越純江さん(1994年度卒/Azulejo Pico経営)から、神戸阪急で開催されるポルトガル関連のイベント案内が届きました。
「この度、神戸阪急にて開催の、クリスマスをテーマにしたイベント「いろんな国のクリスマス」のポルトガルのブースにてAzulejo PICOが出店します。精一杯ポルトガルを伝えられる店づくりを目指しました。学生の皆様、卒業生の皆様にもポルトガルのNATALの雰囲気を味わって頂けたら嬉しいです」(深越さん)
詳細は以下のとおりです。
日時:2024年11月20日(水)~25日(月)
10:00~20:00 ※25日は17時まで
会場:神戸阪急本館9階「いろんな国のクリスマス」
神戸市中央区小野柄通8-1-8(JR三ノ宮駅/阪急神戸三宮駅からすぐ)
・・・・・
ブラジルポルトガル語学科の同窓会事務局では、メールによる不定期のニュースレターを発行しています。
配信ご希望の方は、lusofonia.kufs1967[ ]gmail.comまでお問い合わせください(※[ ]内に@に要変更)。
「この度、神戸阪急にて開催の、クリスマスをテーマにしたイベント「いろんな国のクリスマス」のポルトガルのブースにてAzulejo PICOが出店します。精一杯ポルトガルを伝えられる店づくりを目指しました。学生の皆様、卒業生の皆様にもポルトガルのNATALの雰囲気を味わって頂けたら嬉しいです」(深越さん)
詳細は以下のとおりです。
日時:2024年11月20日(水)~25日(月)
10:00~20:00 ※25日は17時まで
会場:神戸阪急本館9階「いろんな国のクリスマス」
神戸市中央区小野柄通8-1-8(JR三ノ宮駅/阪急神戸三宮駅からすぐ)
・・・・・
ブラジルポルトガル語学科の同窓会事務局では、メールによる不定期のニュースレターを発行しています。
配信ご希望の方は、lusofonia.kufs1967[ ]gmail.comまでお問い合わせください(※[ ]内に@に要変更)。
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いろんなクリスマス
2024/10/29 13:40:00 2024年度 日本ポルトガル・ブラジル学会(AJELB)における本学科教員の研究発表
お知らせ
岐部雅之
2024年10月27日(日)、本年度のAJELB大会が東京外国語大学(東京・府中市)で開催され、本学科から5名の教員が単独・共同研究発表を行いました。
いずれの発表においても質疑応答が活発に行われ、実りある大会となりました。
教員の発表は以下のとおりです。(発表順)
岐部雅之/フェリッペ・モッタ
「パウロ・オノーリオは日本語で語れるのか―グラシリアノ・ハーモス著『サンベルナルド』の試訳から」
上田寿美
「アンゴラ帰還者のアイデンティティの所在―ドゥルセ・マリア・カルドーゾの小説『帰還』をめぐって」
ペドロ・アイレス/彌永史郎
「ポルトガル語の接続法―シラバスにおける位置づけ」
いずれの発表においても質疑応答が活発に行われ、実りある大会となりました。
教員の発表は以下のとおりです。(発表順)
岐部雅之/フェリッペ・モッタ
「パウロ・オノーリオは日本語で語れるのか―グラシリアノ・ハーモス著『サンベルナルド』の試訳から」
上田寿美
「アンゴラ帰還者のアイデンティティの所在―ドゥルセ・マリア・カルドーゾの小説『帰還』をめぐって」
ペドロ・アイレス/彌永史郎
「ポルトガル語の接続法―シラバスにおける位置づけ」
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岐部講師/モッタ講師
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上田講師
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彌永教授/アイレス准教授
2024/10/04 10:30:00 2024年度「読書感想文コンクール」の授賞式
お知らせ
岐部雅之
10月2日(水)、読書感想文コンクール(課題図書:伊藤・岐部・モッタほか訳『ブラジル文学傑作短篇集』水声社、2023年)の授賞式が行われました。
同コンクールは、7月に開催されたブラジルポルトガルウィークのイベントの一つで、今年度で3回目となります。
授賞式の際、伊藤学科長からは「本を読むだけではなく、こうして文章にまとめることはとても大切です。これからも続けてほしいと思います」との発言がありました。
学科のカリキュラムの中には文学系の授業もありますが、こうした機会を利用して一人でじっくり読書をするのはいかがでしょうか。
今回参加できなかった学生は、次年度にぜひ挑戦してみてください。
入賞者は以下のとおりです。
●最優秀賞:田村翼(2年次)
●優秀賞:山本音衣菜(4年次)
●優良賞:川村菜々(1年次)
最優秀賞の田村さんから、喜びの言葉が届きました。
「このたび、読書感想文コンクールで最優秀賞をいただけたこと、とても嬉しく思っています。前回同様日本語に翻訳された短編小説集が課題図書でしたが、異文化や異なる言語に触れることで、今まで気づかなかった視点や考え方を学べたのが、とても面白かったです。 読書感想文コンクールを通じて、言葉の違いを越えて感動を共有できるのが素晴らしいと感じました。これからも、様々な国の本に触れながら、自分の世界を広げていけたらと思います」
・・・・・
田村さんの読書感想文(全文)は、以下のとおりです。
「彼女は誰に殺されたのか」
この物語(編集注:「サンバガールの死」)を読んでまず感じたのは、愛や嫉妬という感情がどれほど強烈で、時に人間を狂わせる力を持っているかということでした。
物語の主人公である黒人青年は、恋人ホジーニャを自分のものにしたいという強い欲望に駆られながら、同時に彼女を失う恐怖に苛まれています。彼はホジーニャが自分を愛していることを信じたい一方で、彼女が他の男に惹かれるのではないかという疑念が常に頭を離れません。この矛盾した感情が彼の心を乱し、最終的には彼を破滅へと導いてしまいます。この状況は、私たちが日常の中で抱える不安や嫉妬の感情を非常に誇張したものとして描かれており、読み進めるうちに、どこか滑稽さを感じざるを得ませんでした。
カーニバルという祭りの中で、彼の不安は徐々に増大していきます。普段の生活では抑え込んでいたはずの感情が、この祭りという非日常の中で爆発し、理性が薄れていく様子が描かれているのです。読者としては、祭りの賑やかさと彼の心の不安定さが対比されることで、物語全体に漂う緊張感が高まるのを感じます。しかし、同時にこの青年の姿がどこか喜劇的に思えてくる瞬間もあります。彼の不安は、理性的に考えれば取り越し苦労に過ぎないのかもしれませんが、カーニバルの熱狂が彼をさらに追い詰めていく様子は、人間の滑稽さを映し出しているように感じます。
例えば、彼がホジーニャの姿を想像しながら、自分以外の誰かが彼女に恋をしてしまうのではないかと怯える場面。まるで彼女が魔法のような力を持っていて、見る者全てを虜にしてしまうかのように考えているのです。この描写は、極端な嫉妬心がいかに人を盲目にし、現実と妄想の区別を曖昧にするかを示しています。しかし、冷静に考えれば「そこまで心配しなくてもいいんじゃない?」と突っ込みたくなるような場面でもあります。彼の過剰な心配は、誰もが少しは抱えたことのある些細な不安を誇張したものであり、その過剰さがかえってユーモラスに映るのです。
そして、物語のクライマックスであるホジーニャの死。青年は、ホジーニャを失った瞬間、もはや現実を受け入れることができず、彼女がまだ生きているかのように錯覚します。このシーンは非常に悲劇的でありながらも、彼の狂気がピークに達した瞬間でもあります。彼がホジーニャに語りかける姿は、まるで子どもが壊れたおもちゃに話しかけるような無邪気ささえ感じさせ、そこに悲劇と滑稽さが同居していることに気付きます。彼は愛する人を失った痛みに耐えられず、現実から目を背けているのですが、それがかえって彼の人間臭さを引き立て、読者としては彼の苦しみに同情しつつも、その行動の滑稽さに微笑んでしまうのです。
物語全体を通じて、私が感じたのは「愛は盲目」という古い言葉がこれほどまでに当てはまる場面はないということです。黒人青年の愛情は純粋で強烈ですが、その強さが彼を破滅へと導きます。彼の嫉妬や不安は、私たちが日常的に抱える感情の延長線上にありますが、それがここまでエスカレートすると、もはやコントロール不能になってしまうのです。この物語は、愛や嫉妬といった感情の危険性を示すと同時に、それらが人間の本質に根ざしたものであることを強調しています。
ただ、この物語の面白さは、そんな深刻なテーマを描きながらも、どこかコミカルな要素が含まれている点です。カーニバルの喧騒の中で繰り広げられるこの悲劇は、まるで一幕の劇のようであり、読者としてはその劇中にいる登場人物たちを、少し距離を置いて観察する感覚になります。そして、その観察の中で、彼らの行動に共感しつつも、どこか笑ってしまう自分がいることに気付かされます。
この物語を読み終えた時、私は「人間の感情とは本当に扱いが難しいものだな」と改めて感じました。カーニバルのような非日常の場では、普段は抑えている感情が一気に溢れ出してしまうことがあります。そして、その感情が暴走すると、私たちは自分でも予想できない行動を取ってしまうのです。『サンバガールの死』は、そんな感情の暴走とその結末を描いた物語ですが、その中に潜むユーモアが、私たちに人間の滑稽さを教えてくれる作品でもありました。
同コンクールは、7月に開催されたブラジルポルトガルウィークのイベントの一つで、今年度で3回目となります。
授賞式の際、伊藤学科長からは「本を読むだけではなく、こうして文章にまとめることはとても大切です。これからも続けてほしいと思います」との発言がありました。
学科のカリキュラムの中には文学系の授業もありますが、こうした機会を利用して一人でじっくり読書をするのはいかがでしょうか。
今回参加できなかった学生は、次年度にぜひ挑戦してみてください。
入賞者は以下のとおりです。
●最優秀賞:田村翼(2年次)
●優秀賞:山本音衣菜(4年次)
●優良賞:川村菜々(1年次)
最優秀賞の田村さんから、喜びの言葉が届きました。
「このたび、読書感想文コンクールで最優秀賞をいただけたこと、とても嬉しく思っています。前回同様日本語に翻訳された短編小説集が課題図書でしたが、異文化や異なる言語に触れることで、今まで気づかなかった視点や考え方を学べたのが、とても面白かったです。 読書感想文コンクールを通じて、言葉の違いを越えて感動を共有できるのが素晴らしいと感じました。これからも、様々な国の本に触れながら、自分の世界を広げていけたらと思います」
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田村さんの読書感想文(全文)は、以下のとおりです。
「彼女は誰に殺されたのか」
この物語(編集注:「サンバガールの死」)を読んでまず感じたのは、愛や嫉妬という感情がどれほど強烈で、時に人間を狂わせる力を持っているかということでした。
物語の主人公である黒人青年は、恋人ホジーニャを自分のものにしたいという強い欲望に駆られながら、同時に彼女を失う恐怖に苛まれています。彼はホジーニャが自分を愛していることを信じたい一方で、彼女が他の男に惹かれるのではないかという疑念が常に頭を離れません。この矛盾した感情が彼の心を乱し、最終的には彼を破滅へと導いてしまいます。この状況は、私たちが日常の中で抱える不安や嫉妬の感情を非常に誇張したものとして描かれており、読み進めるうちに、どこか滑稽さを感じざるを得ませんでした。
カーニバルという祭りの中で、彼の不安は徐々に増大していきます。普段の生活では抑え込んでいたはずの感情が、この祭りという非日常の中で爆発し、理性が薄れていく様子が描かれているのです。読者としては、祭りの賑やかさと彼の心の不安定さが対比されることで、物語全体に漂う緊張感が高まるのを感じます。しかし、同時にこの青年の姿がどこか喜劇的に思えてくる瞬間もあります。彼の不安は、理性的に考えれば取り越し苦労に過ぎないのかもしれませんが、カーニバルの熱狂が彼をさらに追い詰めていく様子は、人間の滑稽さを映し出しているように感じます。
例えば、彼がホジーニャの姿を想像しながら、自分以外の誰かが彼女に恋をしてしまうのではないかと怯える場面。まるで彼女が魔法のような力を持っていて、見る者全てを虜にしてしまうかのように考えているのです。この描写は、極端な嫉妬心がいかに人を盲目にし、現実と妄想の区別を曖昧にするかを示しています。しかし、冷静に考えれば「そこまで心配しなくてもいいんじゃない?」と突っ込みたくなるような場面でもあります。彼の過剰な心配は、誰もが少しは抱えたことのある些細な不安を誇張したものであり、その過剰さがかえってユーモラスに映るのです。
そして、物語のクライマックスであるホジーニャの死。青年は、ホジーニャを失った瞬間、もはや現実を受け入れることができず、彼女がまだ生きているかのように錯覚します。このシーンは非常に悲劇的でありながらも、彼の狂気がピークに達した瞬間でもあります。彼がホジーニャに語りかける姿は、まるで子どもが壊れたおもちゃに話しかけるような無邪気ささえ感じさせ、そこに悲劇と滑稽さが同居していることに気付きます。彼は愛する人を失った痛みに耐えられず、現実から目を背けているのですが、それがかえって彼の人間臭さを引き立て、読者としては彼の苦しみに同情しつつも、その行動の滑稽さに微笑んでしまうのです。
物語全体を通じて、私が感じたのは「愛は盲目」という古い言葉がこれほどまでに当てはまる場面はないということです。黒人青年の愛情は純粋で強烈ですが、その強さが彼を破滅へと導きます。彼の嫉妬や不安は、私たちが日常的に抱える感情の延長線上にありますが、それがここまでエスカレートすると、もはやコントロール不能になってしまうのです。この物語は、愛や嫉妬といった感情の危険性を示すと同時に、それらが人間の本質に根ざしたものであることを強調しています。
ただ、この物語の面白さは、そんな深刻なテーマを描きながらも、どこかコミカルな要素が含まれている点です。カーニバルの喧騒の中で繰り広げられるこの悲劇は、まるで一幕の劇のようであり、読者としてはその劇中にいる登場人物たちを、少し距離を置いて観察する感覚になります。そして、その観察の中で、彼らの行動に共感しつつも、どこか笑ってしまう自分がいることに気付かされます。
この物語を読み終えた時、私は「人間の感情とは本当に扱いが難しいものだな」と改めて感じました。カーニバルのような非日常の場では、普段は抑えている感情が一気に溢れ出してしまうことがあります。そして、その感情が暴走すると、私たちは自分でも予想できない行動を取ってしまうのです。『サンバガールの死』は、そんな感情の暴走とその結末を描いた物語ですが、その中に潜むユーモアが、私たちに人間の滑稽さを教えてくれる作品でもありました。
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田村翼さん
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山本音衣菜さん
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川村菜々さん