ページの先頭です。ページの本文へ

ブラジルポルトガル語学科ブログ RSS


2013/07/09 02:00:00 ブラジル地理統計院研究員と学ぶ 第1回 基礎的インフラ調査

  • Categoryイベント
  • Posted by住田 育法
元ブラジル地理統計院研究員で、現在ブラジル国ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の研究員であるカイゾー・イワカミ・ベルトランさんと国立統計科学学校(ENCE)・同地理統計院(IBGE)研究員のソノエ・スガハラさんが、1981~2009年間に実施されたブラジルにおける基礎的インフラ調査に見られる格差について、30年間の具体的な推移を踏まえて説明しました。

第1回 1981~2009年間のブラジルにおける基礎的インフラ調査で観察された格差
 日時:
 2013年7月8日(月)16時40分~18時10分
 場所:
 京都外国語大学1号館6階164教室
 内容:
「現代ブラジル事情」受講生のための特別講座。

要旨:
基礎的インフラ整備は市民生活の質の基盤です。したがってこれは、貧困の根絶、生活水準の向上、教育、保健などの社会生活向上を目指す議論に欠かせないテーマです。決して十分ではないものの、適切なインフラ整備は、発展に必要な条件となります。これは、ゴミの削減や下水道、水道水質などの、環境問題に関連しています。実際、発展理論は、国内総生産などの経済成長の数字だけではなく、貧困の改善や教育、保健福祉、基礎インフラ整備を含む生活水準の向上に関わっています。

1980年代、1990年代、2000年代の30年間のブラジルの住居における基礎インフラの項目について、その進展の状況を分析しました。一人当たりの世帯収入別個人所得を、最貧者から最も裕福な人に至る20のグループに分けて、住居に関わる電力の供給や一般水道、トイレの設置、下水道や浄化槽、ゴミの収集などの住環境改善の項目を取り上げました。ブラジル地理統計院が毎年実施してきた住居サンプル全国調査(PNAD)は1992年以降は変更がなされたため、30年の全期間において統一されてはいません。

ブラジル住居の基礎インフラの項目を、都市/農村の二分法と所得別の20グループに分けて30年間の推移に従って分析したのです。これによって、5,000を越える膨大な都市(ムニシピオ)を擁する広大なブラジルの空間に従って見られる、都市における格差、農村における格差の状況で観察されるいくつかの違いが明らかになりました。

結論として、30年間の変化において、基礎インフラの各項目で改善が見られたことを指摘できます。そして農村部ではいつも、都市部より劣った内容の統計が示されました。改善の数値はいつも貧者が富者より高いとは限りませんが、概ね、貧者の改善率が高くなっています。とくに都市部における最貧層のトイレ設置の率が絶えず優位を占めています。


※今回の公開講座実施の広報について、ラテン・アメリカ政経学会や日本ラテンアメリカ学会、ラテンアメリカ協会などの協力を頂戴できました。これらの案内に従って、一般の企業関係者の聴講もありました。記して、感謝の意を表します。
  • 講師のカイゾー・イワカミ・ベルトランさんとソノエ・スガハラさん
  • パワーポイントを使って説明する講師
  • 講座を終えて 右から筆者の住田、ベルトランさん、スガハラさん、コスタ教授、カルヴァーリョ准教授

2013/07/01 02:20:00 2013年6月の歴史的大衆運動・街頭デモの素顔!(その5)

  • Categoryブラジルのニュース
  • Posted by住田 育法
6月15(土)にディルマ・ルセフ大統領が出席して始まったサッカー・コンフェデレーションズ・カップが本日6月30日(日)、ブラジルの優勝で終わりました。日本時間では7月1日(月)の早朝です。サッカーにとってはお祝いでも、来日が延期されるなど、政治家ルセフ大統領にとっては散散な2週間でした。

驚くべきは、ブラジルで高く評価されている世論調査のデータフォーリャが実施した、ルセフ大統領の人気について、6月6日(木)7日(金)の「とても良い/良い」57%からこの6月27日(木)28日(金)に30%に急落、逆に、「とても悪い/悪い」が9%から25%に急伸したのです。民主的な直接選挙によって大統領が選ばれるブラジルで、この人気の急落は手痛い展開です。

一方、ディルマ・ルセフ大統領を誕生させた労働者党のルラ元大統領は、同じ世論調査によると、2014年の大統領選挙で立候補すれば1回目の投票で当選する、との結果が出ています。

もうひとつニュースがあります。サンパウロ大学社会学教授の経歴で大統領に当選したフェルナンド・エンリケ・カルドーゾ元大統領がブラジル文学アカデミーの会員に推薦され、受理されました。これはブラジル政界にとって明るい知らせです。

政治とスポーツは別物ですが、想像を絶するナショナリズムと、指導者のカリスマ性が政治とスポーツを動かすブラジルの姿は、何度経験しても驚きを禁じ得ません。街頭デモでもブラジル国歌を皆で歌い、ウルグアイとの試合では、試合前の国歌演奏でトラブルで音が出なくなっても、競技場では皆が大きな声で歌い続けていました。街頭でも競技場でも、黄色と緑の国旗がごく当たり前に振られています。

繰りかえしますが、昨年12月に「サッカーシューズの祖国」と題して本学で講演をしたフルミネンセ連邦大学のクレベル教授は、ブラジルのサッカーの歴史は、貧しい黒人の選手から始まった、と解説しました。最初は、先住民と黒人の混血の貧しい家庭の子であり、その貧しさは、子供の時、治療を受けることができずに、背骨が曲がったまま成長したほどだったガリンシャ、続いて貧しい家庭の黒人であるペレー。そして彼らのハングリー精神が、強いサッカー王国を生んだと強調しました。しかしやがてジーコになると、彼は 貧しい中産階級の子だったのですが、黒人ではなく、都会に住む白人であり、スラムの住人ではなかったと、その変化に注目しました。

講演の最後に、クレベル教授は、「ブラジルが豊かになり、スラムでサッカーに夢を描いて育つ子供が減ると、ブラジルのサッカー選手はガリンシャやペレーのように有能な人材を排出できなくなるかもしれない」と締めくくりました。ともあれ今回、ブラジルは優勝しました。異種族混淆のブラジル人を感じさせる選手たちの活躍も印象に残りました。地球の反対側から高見の見物の気分で、楽しめたテレビ観戦。ブラジルの友人たちといっしょに、しばらくブラジルの優勝を喜びましょう!
  • 今も強い人気を持続させているルラ元大統領
  • ルラの後継者として大統領に就任したディルマ・ルセフ
  • 2005年の工事中のとき訪れたマラカナン競技場 サッカー・コンフェデレーションズ・カップ決勝戦の会場

2013/06/27 03:10:00 ブラジル地理統計院研究員と学ぶ最新ブラジル事情

  • Categoryイベント
  • Posted by住田 育法
国立統計科学学校(ENCE)・ブラジル地理統計院(IBGE)研究員ソノエ・スガハラ(Sonoe Sugahara)さんと元同地理統計院研究員で、現在ブラジル国ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の研究員であるカイゾー・イワカミ・ベルトラン(Kaizô Iwakami Beltrão)さんをお招きします。ブラジルの最新事情について以下の日程でおふたりが講義します。ポルトガル語で発表しますが、日本語への通訳を行いますので、一般の方もふるってご参加ください。

第1回 「ブラジルにおける基礎的インフラ調査―PNADの30年」
 日時:
 2013年7月8日(月)16時40分~18時10分
 場所:
 164教室
 内容:
「現代ブラジル事情」受講生のための特別講座です。ブラジル理解に欠かせない、都市開発などのインフラストラクチャー整備調査の実情について説明します。
参考:
カイゾー・ベルトラン/ソノエ・スガハラ共著「〝昼間の断水、夜間の停電〟―リオデジャネイロ都市部における過去20年のインフラ整備の進展」住田監修『ブラジルの都市問題』(春風社)
De dia falta água, de noite falta luz
http://www.youtube.com/watch?v=rCil8zqS36I#at=16
Rio de Janeiro
Cidade que nos seduz
De dia falta água
De noite falta luz.

Abro o chuveiro
Não cai nem um pingo
Desde segunda
Até domingo.

Eu vou pro mato
Ai! pro mato eu vou
Vou buscar um vagalume
Pra dar luz ao meu chatô.



INIQUIDADE NO ACESSO À INFRAESTRUTURA BÁSICA NO BRASIL: TRÊS DÉCADAS DE PNAD - 1981/2009
A infraestrutura básica é parte essencial da qualidade de vida dos cidadãos. E, portanto, deve constar de qualquer agenda que envolva discussão sobre metas sociais ao lado de temas como redução da pobreza, melhoria do padrão de vida, educação, saúde etc. Uma infraestrutura adequada é uma condição necessária (embora não suficiente) para o desenvolvimento. Há também uma forte conexão com o meio ambiente: remoção de lixo, esgoto sanitário, qualidade da água etc. Na verdade, a teoria do desenvolvimento passou a reconhecer a necessidade de ir além do crescimento econômico e incluir itens como redução da pobreza e melhores condições de vida, que incorporam educação, saúde e infraestrutura básica.
Analisa-se a evolução de alguns itens da infraestrutura básica nos domicílios brasileiros durante as décadas de 1980, 1990 e 2000, classificados por vinte-avos de renda domiciliar per capita, no que se refere a serviços essenciais para o bom funcionamento dos domicílios: disponibilidade de iluminação elétrica, de rede geral de água, de sanitário próprio no domicílio, de acesso direto à rede de esgoto ou via fossa séptica e de coleta de lixo. Cumpre notar que os conceitos e quesitos levantados nas PNAD não foram uniformes no período já que o questionário básico da pesquisa foi modificado para as edições posteriores a 1992. ・・・
PNDA(Pesquisa Nacional por Amostra de Domicílio):
A Pesquisa Nacional por Amostra de Domicílio (PNAD) é uma pesquisa feita pelo Instituto Brasileiro de Geografia e Estatística (IBGE) em uma amostra de domicílios brasileiros que, por ter propósitos múltiplos, investiga diversas características socioeconômicas da sociedade, como população, educação, trabalho, rendimento, habitação, previdência social, migração, fecundidade, nupcialidade, saúde, nutrição etc., entre outros temas que são incluídos na pesquisa de acordo com as necessidades de informação para o Brasil. A pesquisa é feita em todas as regiões do Brasil, incluindo as áreas rurais de Rondônia, Acre, Amazonas, Roraima, Pará e Amapá (excluídas até recentemente).
(Origem: Wikipédia)


第2回 「ブラジルの人口動態について」
 日時:
 2013年7月12日(金)15時~16時30分
 場所:
 132教室
 内容:
「ポルトガル語圏歴史文化ゼミⅢ」受講生のための特別講座です。ブラジル研究の基礎となる統計資料の扱い方、とくに人口動態について説明します。
A TRANSIÇÃO DEMOGRÁFICA NO BRASIL
Mudanças expressivas ocorreram com a população brasileira ao longo do século XX e estas mudanças se estendem ao século atual. Dentre elas, recebeu destaque especial entre os estudiosos, a diminuição da mortalidade seguida no tempo pela queda nas taxas de fecundidade. Comparado à experiência européia, o movimento de passagem de um estágio de população relativamente estável em função de taxas de mortalidade e fecundidade altas a um estágio de mortalidade e fecundidade baixas, estaria, no Brasil, acontecendo em velocidade acelerada. Esse movimento chegou a durar mais de 100 anos em alguns países da Europa. O Brasil, porém, estaria completando, de forma rápida, o que se convencionou chamar de “transição demográfica.” Presentemente a Taxa de Fecundidade Total (número de filhos tidos pelas mulheres ao final da vida reprodutiva) já está abaixo do nível de reprodução. ・・・

カイゾー・ベルトランさんは2004年12月3日に、私が研究代表を務めていた平成16年度科学研究費補助金研究「現代ブラジルにおける都市問題と政治の役割」の共同研究者として、本学で、「ブラジルのリオ市の人口動態について」報告しています。ソノエ・スガハラさんは、本学より出版助成を受けた同科学研究費補助金研究成果である『ブラジルの都市問題』第3章の共同執筆者です。なお、正規の受講生以外の参加の場合、ご質問などは、saudade@kufs.ac.jp 宛、お問い合わせください。
  • コルコバードの丘から望むリオ市
  • ベルトラン氏が 2004年12月開催の都市問題研究会 カイゾー氏(右から3人目)がリオについて報告
  • 2008年度出版助成『ブラジルの都市問題』(春風社)

2013/06/24 09:00:00 2013年6月の歴史的大衆運動・街頭デモの素顔!(その4)

  • Categoryブラジルのニュース
  • Posted by住田 育法
6月24日はブラジルでフェスタス・ジュニーナスと呼ばれる6月祭の聖ジョアンの日です。植民地時代にポルトガルから伝わった聖ジョアン・バチスタの祭りですが、ブラジルではひろく民衆が楽しめる祭りに発展しました。この時期、北半球は夏至ですが、ブラジルでは冬至です。単純に冬の祭りとは言えませんが、農牧畜にかかわる、火の聖人・結婚の聖人・雨の聖人に感謝し、子どもたちが農夫や司祭の格好をして、結婚式の真似事をし、独特の食物を食べ、クワドリーリャを踊り、夜は火を焚いて祝います。

ちょうど今、歴史的大衆運動が続いていますが、6月祭の理念にぴたりと合いそうです。神の恵みを皆で分け合い、楽しく過ごす、ということです。悪いことをしても、懺悔すれば許されますし、持てる人は持たざる人に富を分け与えます。そして、神の声を聞くことができる司祭がしっかり取り仕切っています。

この聖ジョアンの24日、ついにディルマ・ルセフ大統領が大胆な改革案を提示しました。改革はこれからですが、健康、公共交通、教育、政治改革、税務責任の5つの契約です。

リオの著名な人類学者ロベルト・ダマタは「ブラジル人はカーニバルとサッカーのとき日常性から脱して、価値の逆転を楽しむ。貧者が富者をまね、男性が女装し、女性が男装する。サッカーでは階級に関係なく、勝者が称えられる」と述べています。今回の大衆運動は、カトリックのお祭りの場で、ひとびとの希望に司祭が約束をして日常の生活に戻るように、いつもの「指導者」が「約束」をすることでまず、収まるでしょう。そして、カーニバルやサッカーの試合のように、時の経過の中で、定期的に繰り返されるのです。
  • 6月祭で聖者に祈る人々 1974年の留学のとき
  • 6月祭で踊る子どもたち 1974年の留学のとき
  • 今回、子どものために「反汚職、教育、高度の医療」など「より良いブラジルのため」のプラカードを書く親たち

2013/06/23 20:10:00 二十歳を迎えた交流協定(2) 祝世界文化遺産登録決定

  • Categoryお知らせ
  • Posted by住田 育法
今から24年前の1989年、コインブラ大学文学部ルイス・レイス・トルガル教授が「コインブラ大学―700年間の歴史」と題して本学で講演を行いました。そしてきょう、2013年6月22日、1290年にポルトガル王ディニスⅠ世によって創立され、720年以上の歴史を誇る大学が、コインブラ市の高い地区アルタと低い地区ソフィアを含めて、世界文化遺産に登録されることを決めたのです。

おめでとうございます。

カンボジアのプノンペンで開催されている第37回ユネスコ世界遺産委員会で審議が為され、世界遺産一覧表に「記載」されることが決定されました。一覧表への正式な記載日は、第37回世界遺産委員会の審議最終日である6月26日になるそうです。

以下のネットからコインブラ大学のJoão Gabriel Silva学長のメッセージにアクセスできます。
http://ucv.uc.pt/ucv/podcasts/universo-uc/universidade-de-coimbra-alta-e-sofia-patrimonio-mu
  • コインブラ大学法学部前にて
  • コインブラ大学文学部前にて
  • ソフィア地区でファドを歌う学生たち

Page top