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2015/10/28 11:00:00 大学院修了生の声2

  • Category大学院修了生の声
  • Posted by北川幸子
 前回に続き、今回は一年制の修士コースを修了された瀬川綾子さんにお話をうかがいました。

【瀬川綾子さん(2015年3月 博士前期課程修了)】
短大を卒業後、化粧品会社に就職。約10年の会社員生活に区切りをつけ、念願のイタリア留学へ。帰国後、イタリア語講師に。留学中に日本語を学ぶイタリア人とLanguage Exchangeをした経験がきっかけとなって日本語教師養成講座へ。大学三年次に編入し、大学を卒業。国内の日本語学校やタイの中等教育などで日本語を教えたのち、本学の大学院へ。ユニークな経歴をもつ瀬川さんです。

北川:大学院進学を決めた理由は何ですか?
瀬川さん:大学院進学はタイから戻るちょっと前から考え始めていたんですが、教えていて感じた疑問を既存の本でしか確認できないなぁと思って、もっと自分の力で調べたりできないかなと思ったのがきっかけですね。

北川:大学院で取り組まれた研究のテーマを教えてください。
瀬川さん:どうしたら学習者が日本人と円滑なコミュニケーションができるのか、ということに一番のポイントを置いて、その題材として可能形をとりあげました。可能形に潜んでいる含意というものがあるのか、日本語母語話者を対象に調査をして使用実態を明らかにしました。そのうえで、それを今度はどのように学習者に教えていけるのか、指導法を見つけていく、ということをやりました。

北川:研究で大変だったことは?
瀬川さん:全部大変だったんですけど(笑)。日本語学についての基礎知識が十分ではなかったので、その点で一番苦労しました。自分が教えてきた経験はあるんですけどそれを学問としてとらえることが難しくて…

北川:その基礎的な知識を補う部分で何か在学中にされたことはありますか?
瀬川さん:そうですね、とにかく本はたくさん読みました。本と論文ですね。

北川:その他に大変だったことは?
瀬川さん:可能形の指導(授業)を実際にやってみてデータをとるということだったんですけど、教材を作る段階でもかなり悩みましたし、結果が出なかったら話にならないので…、夏休みにデータをとることになっていたんですけど、そこまでに教材を作らなければいけないというプレッシャーもあって…。教材を作るための理論をおさえたり、データをどのように分析してどのように説明をしてばいいかなど、いろいろ難しく、悩みました。
自分はひとつの視点から見ていても、他の角度から見ればいろいろ出てきますし、研究の過程で周りから自分の思ってもいないご意見をいただいたりして、それをどう解決していけばいいのか、気づかない部分での指摘は役に立つ部分もあるんですが、対処にも困りました。

北川:今のお話にも関連するかもしれませんが、瀬川さんにとって大学院の一年間、そこでの収穫やご自身の成長はどのように感じていらっしゃいますか。
瀬川さん:そうですね。私は、ものごとを順序立てて論理的に考えることが苦手だったんですね。でも何かを考えていくときにひとつずつ丁寧に考えていくという癖はついたかなと思います。いろんな視点をもつこととか。すごく凝り固まっていた自分の考えをほぐすことはできたかなと感じています。

北川:現場で感じた疑問を解決したいという具体的な目的があったかと思うんですが、結果的にはその解決のプロセスで得られた方法や姿勢といったもののほうが実りが大きかったんですね。
瀬川さん:そうかもしれないですね。凝り固まっているからこその問題ってたくさんあったんだなって感じています。

北川:最後に今後の展望を聞かせてください。
瀬川さん:言葉を勉強することのもっとも大切な点は、やはりコミュニケーションだと思いますので、何年日本語を勉強していても話せない学生って多いですけど、話せる学習者をどうやって育てていけばよいか、指導法や教材作りにもとても興味がありますので、そういったものを作っていきたいと思っています。
北川:ぜひ。楽しみにしています。

瀬川さんは近々、国際交流基金から日本語専門家としてインドネシアに派遣されることになっています。インドネシアでのご活躍をお祈りしています。教材作成のタネ?がインドネシアに落ちているかもしれませんね。

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