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派遣留学

2019/01/07 09:30:00 派遣留学(オランダ・野口晴菜さん)

  • Category派遣留学
  • Posted by近藤優美子
オランダ国立南大学(2017年~2018年)

2016年度編入 野口晴菜


オランダ最南端の街マーストリヒトは、安全で美しい街です。そこにあるオランダ国立南大学(ZUYD)には日本語学科があり、日本語教壇実習プログラムでの留学制度があります。
留学中の活動は主に、①一般の留学生と同じく、マーケティングやコミュニケーション、オランダ語の授業を受講する、②日本語学科の日本語授業を見学し、最終的には授業の実践を行う、③授業外で日本語学習を補助する機会をつくり運営すること、の3つです。

① 学科の授業を受講する
現地のオランダ人向けの授業をオランダ人学生と一緒に受けることは決して簡単なものではありません。しかし、単位互換のことを考えると、単位を落とすわけにはいかず、オランダ人学生に手助けをしてもらいながら必死についていきました。宿題も試験ももちろんあるのですが、レポートなどはこつこつと進め、試験勉強は授業内容をしっかりと把握しておけば、単位は必ず取ることができると思います。とても忙しい日々を過ごすことになりますが、授業を通して英語やオランダ語、その他の知識が着実に蓄積されていき、必ず自分のためになるとてもいい経験です。

② 日本語の授業の見学と実践
現地の先生方の日本語指導を、日本国内での指導との差異など多くのことを授業見学を通して学ぶことができました。授業実習では日本とオランダの文化の違いや、学生たちの学習姿勢など様々な要素を考えながら一から授業を作ります。授業は毎回とても緊張し、本当に自分の授業は学生たちのためになっているのか、自分はきちんと説明することができているのかなど、不安でいっぱいになるときもありましたが、授業後に「おもしろかったです!」や「もっと他のクラスでも授業してください!」などといってもらえたときは、とてもやりがいを感じます。

③ 授業外の日本語学習の補助
オランダ人学生と日本人留学生を集めて日本語と英語で会話をしてもらう「しゃべくり」や、日本語学科の1年生を対象とした「文化紹介ワークショップ」、個人単位で学生からの日本語学習に関する相談をうけたり個人レッスンをしたりする「オフィスアワー」などのイベントの企画と運営を行いました。
学生達の興味を持続させること、授業スケジュールと活動実施日の調整など、いかにイベントの企画や運営大変なものであるかを思い知りました。しかし、授業外でのTA活動は授業内では聞くことのできない学生の思いや考えに触れられ、より近くで親身になって学生に対応することができるとてもいい機会です。
ZUYDの日本語学科の先生方は、日本語教育に関する悩みを相談すれば一緒に解決方法を考えてくださったり、アドバイスをくださったりと、とても心強い味方です。また、授業の頻度や持ち時間への希望も尊重してもらえます。ですので、日本語教育に不安を感じている人や、自信が持てない人でも、安心して授業をすることができる、素晴らしい環境であるといえます。

プログラム全体をひとつの形容詞で表すならば、「忙しい」です。授業の予習・復習・宿題に加えて、日本語の授業と授業外の日本語補助の準備と実施、その後の反省や報告書作成などをしていると、瞬く間にオランダでの日々は過ぎていきます。早朝から学校に出向き、気が付けば1日が終わっていることもしばしばで、とにかく忙しいです。しかしその分、得られるものはとても大きいです。英語力を高めたい人にとっては、オランダ人学生と一緒に授業を受け、わからないことを質問したり授業外で交流したりすることは、とてもよい英語習得の機会になるでしょう。また、日本語教育の教壇経験をしてみたい人にとっては、アジア圏の学習者とはまた違ったオランダの学習者たちを前に、多くの授業経験が得られ、実りのある時間になります。この素晴らしい留学生活を送ってみるのはいかがでしょうか。

2015/11/12 15:10:00 派遣留学(韓国・草川保奈美さん)

  • Category派遣留学
  • Posted by北川幸子
仁川大学(2013年~2014年)
2012年入学 日本語学科 草川保奈美


 私は日本語学科に入学してすぐ、日本語教育実習ができる派遣留学の存在を知りました。派遣留学から帰ってきた先輩に直接お話を伺い、興味を持ち、私も留学したいという気持ちを持ち始めました。日本語学科が派遣留学で申請できる国はオランダや韓国などがあり、私が韓国を選んだ理由は韓国語に関心があったからです。日本語と似ているといわれている韓国語ですが、韓国人はどのように日本語を勉強しているのか。また、日本語学習者の多い国である韓国ではどのような日本語教育が行われているのか知りたいという思いから、仁川大学を選び、韓国語の勉強も始めました。
 もともと韓国ドラマやK-popに関心があった私は韓国語の勉強も苦ではなく、楽しく留学生活を送っていました。授業の中で韓国語母語話者が誤りやすい文型や単語、言い回しなどを知り、それは私たち日本語母語話者が韓国語を話す際にも見られる母語干渉による誤用がたくさん出てきました。そしてそれらを疑問に思い、私に質問に来る学生も少なくはありませんでした。しかし、すぐ答えられるようなものではなく、ハンドブックや教科書を見ながら答えていました。そうして毎日を過ごすうちに、だんだん日本語の特徴や韓国語との微妙な語感の違いがわかっていき、もっと知りたいと思えるようになりました。また、日本語を勉強する学習者ともっと関わりたいと思い、仁川の中高生を対象にした日本語キャンプにも参加させていただきました。そこでは日本の音楽に興味がある学生や漫画・アニメが好きな学生など動機は様々ではありましたが、日本語を熱心に学ぶ学生たちの姿がありました。私はさらに日本語を勉強したいと思うようになり、同時に韓国語ももっと知りたいと思うようになりました。
 留学は楽しいだけではなく、実際に現地の授業や課題をこなさなければならず、慣れないことだらけで苦労もたくさんしました。しかし、それらを乗り越えれば、今まで見えてこなかったものが見えてきたり、それらに興味を持つようになったりします。そしてそれらは、留学していたからこそ見えてくるものであり、日本にずっといたらわからなかったことだろうと今では思います。みなさんも少しでも興味があるのであれば、ぜひ留学をしてみてはいかがでしょうか。もしかしたら、なにか新しいものが見えてくるかもしれません。私の体験を読んで、少しでも多くの人が留学に興味を持ってくださることを願います。ご精読ありがとうございました。
  • 仁川大学日本語学科が使っていた棟
  • 中高生対象の日本語キャンプの様子、たこ焼き体験
  • 中高生対象の日本語キャンプの様子、浴衣体験

2015/11/09 11:00:00 派遣留学(ベトナム・葛城真奈さん)

  • Category派遣留学
  • Posted by北川幸子
ハノイ大学 2015年1月~6月
2014年度入学 大学院実践言語教育コース日本語教育領域 葛城真奈


 ハノイはベトナムの北部にある1000年の歴史がある都市です。“ベトナム”と聞くと、常夏を思い浮かべる人もいると思いますが、ハノイには四季があり、冬はダウンジャケットが必要なこともあるくらい冷え込みます。夏は40度近くまで気温が上がる日もあり、昼間、出歩くことを躊躇うこともよくありました。
帰国して、ハノイはどうだった?と友人に聞かれると、私は「食べ物がおいしかった!」といつも答えてしまいます。ベトナム料理は日本の料理と似ている部分もあり、日本人の口によく合うと思います。ハノイ大学の周辺にも安くて、おいしい店があり、300円ほどで、おなか一杯食べられます。また、学生寮に住んでいたので、学生が作ってくれたベトナムの家庭料理を食べる機会も多く、料理の作り方なども教えてもらうことができました。
ベトナムでは、先生をとても大事にする文化があり、また、素朴で人懐こい学生が多いので、食事の心配をしてくれたり、休みの日に遊びに連れて行ってくれたり、困ったことがあったら力になってくれたりと、学生のおかげで快適な生活を送ることができました。

 ハノイ大学では、日本人教師は1年生と2年生の会話と作文の授業を担当します。ベトナムは、日本人教師が不足しており、日本語教師でないボランティアの方が教壇にたっていることも少なくありません。そのような環境なので、ハノイ大学では実習というより、一教師として、授業をまかされます。私は1年生と2年生の作文の授業を担当しました。課ごとの作文のタイトルは決まっているのですが、どのように授業を進めるのかについては自由でした。作文の授業は一週間に1回で、2週で一つの課がおわります。一週目に作文で使う表現の学習、話題の導入を行い、作文は宿題になります。2週目が1コマ(90分)すべてがフィードバックでした。ハノイにいる間の私の課題は、90分間のフィードバックの時間、学生を飽きさせずに、次につながるフィードバックを行うためにどのような授業をすればいいかということでした。

 ベトナムでは、教師を敬う文化が根強く、学生が教師を評価したり、授業の進め方などに対して意見をいったりするということほとんどありません。また、ハノイ大学では授業の進め方に対して、ベトナム人の同僚の先生などから何か意見を言われることもありませんでした。自由である反面、どうすれば、よりよい授業ができるのか、ベトナムで学んでいる学習者のために日本人である私にできることは何なのかを常に考え、試行錯誤するという毎日でした。少しの工夫で、学生の反応が違ったり、作文の提出率が伸びたりと、小さなことでも何かしらの変化があり、反応が返ってくるというのはとてもやりがいがあるものでした。半年という短い期間でしたが、とても貴重な経験になりました。自分で考え、実践し、その結果を内省し、次の授業に活かすということは、どの教師も行っていることだと思いますが、ハノイ大学では、一人の教師に任されている部分が大きいため、この過程の重要さに改めて気づくことができました。
  • 日本語学科のある建物から見下ろしたハノイ大学とハノイの街並み
  • 2年生のクラス

2015/11/09 10:40:00 派遣留学(オランダ・眞鍋千裕さん)

  • Category派遣留学
  • Posted by北川幸子
オランダ国立南大学 2014年9月20日~2015年9月19日
2013年入学 日本語学科 眞鍋千裕


 私は1回生の時に派遣留学の試験を受け、2回生の9月から1年間オランダにあるオランダ国立南大学へ留学しました。日本語のクラスは一週間に約10コマ担当し、それ以外には英語やオランダ語の授業を受けました。実習は「みんなの日本語」や「BASIC KANJI」を使い、導入、漢字、会話、聴解、読解、文化のクラスなど、すべての授業をさせていただきました。授業は教案やパワーポイント、教材をすべて自分で一から考え、準備をしなければなりません。ですが、現地の生生方に授業前に教案やパワーポイントのアドバイスをしていただき、授業後にフィードバックをしていただけるので、毎回自分自身も成長することができました。また学生の方から○○の活動が楽しかった、○○の説明がわかりやすかったなど感想をもらうこともよくありました。最初は教壇に立つことで精一杯でしたが、最後は臨機応変に対応したり、学生が間違えた場合の正解への導き方を自然と身に着けたり、クラスコントロールなど自分の授業に自信を持って行うことができるようになりました。クラスの中では「先生」ですが、それ以外の場所では「友達」です。ですから、お互いの言語を教えあったり、放課後に一緒に遊んだり食事に行ったり、休日にはパーティーをしたり旅行に行ったり、とても深い関係を築くことができたと感じています。オランダの有名な場所を案内してもらったり、一緒にヨーロッパ旅行へ行ったり、本当に濃い毎日でした。先生と学生、友達として接し、一年間のほとんどを一緒に過ごしたので、家族のような存在になりました。
 もちろんそれ以外にも学んだことがたくさんあります。文化や考え方の違いも、最初は戸惑いながらも互いの良い所を見つけ受け入れることができました。彼らは思ったことはきちんと口に出して言い、「言わない方が失礼だ」という考えを持つ人が多いので、私もできるだけオランダの文化に溶け込めるように努力しました。
 また、はじめての一人暮らしが海外で、今までいかに周りの人に支えられていたか実感しました。帰国してから周りから「変わったね、大人になったね」と言われることが多いのですが、正直自分ではどのように変わったのかわかりません。しかし、何か人生の中で大切なことを学んだ気がします。
 全てが、毎日がはじめての経験で一年は本当にあっという間でした。もちろん辛いことや大変なこともたくさんありましたが、全て価値のある経験です。その中から学べることがたくさんありました。楽しいことや嬉しいことも数えられないほどありました。サプライズで授業中に二十歳の誕生日を祝ってもらったり、最後の授業の日にクラスごとにアルバムや手紙をもらったり、忘れられない素敵な経験もたくさんしました。オランダ人の人達は本当に暖かく親切で、オランダは私の第二の故郷です。
 今回の留学を応援してくれた家族、また支えていただいた先生方や友達など全ての方々のおかげで素晴らしい一年間を送ることができました。これからはその方々に恩返しできるように夢に向かって進んでいきたいと思います。
  • 1年生と書道をした時の写真です。
  • 最後の文化のクラスでの集合写真です。
  • 日本語学科の先生方と留学生でのお食事会での写真です。

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