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掘れ惚れセントロアメリカDiary RSS

Profile
【ブログスタッフ】
“考古学と博物館学との仲介者” 南博史
“その弟子”植村まどかと深谷岬

【このブログについて】
京都外国語大学ラテンアメリカ研究所(http://www.kufs.ac.jp/ielak/)では、学内の国際文化資料館(http://www.kufs.ac.jp/umc/)との共同で行う新たな総合学術研究「アメリカ地中海文化圏研究」の一環として、2013年中米ニカラグア共和国マタガルパ県マティグアス郡をフィールドとする『プロジェクト・マティグアス』を開始しました。
このプロジェクトは、国際文化資料館館長、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所研究員の南博史教授(考古学、博物館学)をリーダーに、マティグアス郡の中央にあって遺跡が広く分布するキラグア山周辺に「考古学と博物館学を仲介者とする実践的地域研究」を行っています。
つまり遺跡の学術的調査研究を背景として、考古学の成果を博物館学的手法によって地域に還元することで、また地域をミュージアムと見立てて博物館活動を行うことで、地域の課題解決と持続可能な地域社会を可能にする方法を具体的なモデルを提示し明らかにすることが目的としています。
現在、考古学調査を実施しているマティグアス郡ティエラブランカ地区にあるラスベガス遺跡は、約1万㎡の調査対象範囲のなかに約20のマウンド(直径5~10m、高さ1~2mの塚)と多数の集石遺構が確認されています。また、遺跡にはモノリートと呼ばれている長さ3mと4.5mの石柱が2点確認されており、その学術的価値の高さが注目されています。
今年の夏は、このマウンドの一つを発掘調査する予定ですので、こちらのブログより情報発信していきたいと思います! 現地説明会にて

2015/09/10 12:30:00 いざ!ティエラブランカ村現地説明会開催!

  • Category地域連携活動
  • Posted byマドカ
今日は待ちに待ったティエラブランカ村での現地説明会でした!毎日遺跡へ向かう際に挨拶を交わす地域住民の皆さんにお集まりいただき、子どもから大人まで約80名近くもの方々にご出席いただきました。本当にありがとうございます!

会場は教育支援活動でもおなじみ、フアナ・アリシア・セルドン・フローレス小学校の教室をお借りしました。また今年2月にマティグアスで開催した写真展も1日限定で開催しました。百聞は一見にしかず、言葉で説明するよりも写真を見る方が分かりやすいですよね。

さて本題の説明会ですが、最初にサグラリオ先生からマティグアスにのこる遺跡や岩刻画などの紹介をして、考古遺産は村の皆さんのすぐ近くに存在しているということをお話しました。一言に「考古遺産」と言われてもぱっとしませんが、岩刻画や地表に落ちている土器のかけらの写真を出して説明すると、「ウチにも似たようなのがあるぞ!」「隣の山の◯◯さんのとこで見たことある!」などの声があがるようになります。

続いて私からは、私たちが何者であるのか、村で何をしているのか、なぜこのような活動をしているのか、ということを中心に説明しました。村の皆さんからすれば、ミナミ先生もマドカも外国人。今では村の皆さんは毎日笑顔で迎えてくれていますが、いきなり外国人が土地に入ってきて毎日土を掘り返すわけですから、穏やかではありませんよね。私たちは村の皆さんが不安にならないように説明する義務があるのです。

私たちが日本人であること、学術的な知識に基づいて考古学調査を行っていること、村の皆さんと協力しながら村にのこる遺産を守りたいということ・・・プレゼン後の皆さんの笑顔を見ると、私たちのプロジェクトの思いを伝えることができたのかなと思っています。

そしてプレゼン終了後にはちょっと変わったアンケートを実施しました。ティエラブランカ村に限ったことではありませんが、ニカラグア農村部での識字率は高くはありません。そこでアンケート問題は口頭で読み上げ、用紙にはにっこり・ふつう・しょんぼりの顔マークを記載、顔にマークをしてもらうという方法を考えました。まだまだ課題は残りますが、なんとか50枚ほどのアンケートを回収することができました。

ちょっと長くなってしまいましたが、以上をもってホントに今期の調査は終了です!また来年までさようなら、マティグアス!(泣)
  • 教室2部屋をお借りしましたが、このとおり満員!本当に多くの方々にお集まりいただきました。
  • 「私たちは日本から来ました!」
  • 今回配布したアンケート用紙。質問は記載せずに大きな声で読み上げました!

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