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掘れ惚れセントロアメリカDiary RSS

Profile
【ブログスタッフ】
“考古学と博物館学との仲介者” 南博史
“その弟子”植村まどかと深谷岬

【このブログについて】
京都外国語大学ラテンアメリカ研究所(http://www.kufs.ac.jp/ielak/)では、学内の国際文化資料館(http://www.kufs.ac.jp/umc/)との共同で行う新たな総合学術研究「アメリカ地中海文化圏研究」の一環として、2013年中米ニカラグア共和国マタガルパ県マティグアス郡をフィールドとする『プロジェクト・マティグアス』を開始しました。
このプロジェクトは、国際文化資料館館長、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所研究員の南博史教授(考古学、博物館学)をリーダーに、マティグアス郡の中央にあって遺跡が広く分布するキラグア山周辺に「考古学と博物館学を仲介者とする実践的地域研究」を行っています。
つまり遺跡の学術的調査研究を背景として、考古学の成果を博物館学的手法によって地域に還元することで、また地域をミュージアムと見立てて博物館活動を行うことで、地域の課題解決と持続可能な地域社会を可能にする方法を具体的なモデルを提示し明らかにすることが目的としています。
現在、考古学調査を実施しているマティグアス郡ティエラブランカ地区にあるラスベガス遺跡は、約1万㎡の調査対象範囲のなかに約20のマウンド(直径5~10m、高さ1~2mの塚)と多数の集石遺構が確認されています。また、遺跡にはモノリートと呼ばれている長さ3mと4.5mの石柱が2点確認されており、その学術的価値の高さが注目されています。
今年の夏は、このマウンドの一つを発掘調査する予定ですので、こちらのブログより情報発信していきたいと思います! 現地説明会にて

2020/03/17 08:30:00 2020春のニカラグア調査~3:カリブの町シウナへ

  • Categoryカリブ海調査
  • Posted byミサキ
みなさまお久しぶりです。
私からは北カリブ自治地域シウナ市の調査についてご報告します。

マティグアス調査の裏で秘密裏に進められていた・・・わけではないのですが、カリブ海岸地域調査も3年目に突入しました。ブルーフィールズ、ムエジェ・デ・ロス・ブエジェス、プエルト・カベサスなど、様々な場所で踏査や現地調査を進めてきまして、今回は北カリブの町シウナへ調査に行ってきました。調査メンバーは南先生、京都外国語大学ラテンアメリカ研究所客員研究員の嘉幡茂さんとフリエタ・ロペスさん、ニカラグア国立自治大学のケビン・ゴンサレスさん、そして本学博士後期課程の深谷岬(私です)。

昨年、ニカラグアカリブ自治大学(URACCAN)のルイス・エレラさんより「シウナ近郊にはたくさん岩刻画がある」という情報提供を受けたことをきっかけに、今回シウナで岩刻画の調査をすることになりました。岩刻画は、文字通り岩に模様が彫られたもので、ペトログリフとも呼ばれています。岩刻画はカリブ海岸地域ひいては中米各地で存在が確認されているものの、その用途が詳しく分かっていません。これまでの私たちの調査で、岩刻画が河川沿いで多く見つかることから、河川交通と関係しているのでは?という仮説を立てて研究を進めています。そして更なる情報を得るため、ルイスさんの案内で、山を登り、草木を払い、川を越えて(冗談ではありません)岩刻画の分布調査をしてきました。

岩刻画の一つは、シキルタ(Sikilta)という先住民の村にあったのですが、村の人たちが岩刻画のある場所を聖域として現在も大事にしていたことは大変興味深かったです。古代の人々がどのような意図で岩刻画をその場に彫ったのかは分かりませんが、現在は聖地として古代の人々が活動した痕が残されているのです、長い時間の流れを感じますね・・・。

また、岩刻画の調査を手厚くサポートしてくれたURACCANの副学長さん、ルイスさんと、今後どのような共同研究ができるかお話することができました。様々な先住民グループがあるカリブ地域で、先住民の自治や文化に関する活動、考古学と博物館学をどのように関連付けて発展させていくかが今後の鍵となりそうです。

  • 川を渡る南先生
  • この岩刻画、みなさんは何に見えますか?
  • お世話になったURACCAN副学長さん(右手前)とルイスさん(中央)

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