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2017/07/28 00:00:00 Report on the Inauguration of "Service Leadership Workshop" /サービス・リーダーシップ研究会の発足と活動報告(国際教養学科 齋藤祐史)

  • Category学生紹介
  • Posted by国際教養学科生
The following report regarding the inauguration of "Service Leadership Workshop", which is a students' study group, was written by Yushi Saito, president of this workshop and senior student of Department of Global Affairs.

<サービス・リーダーシップ研究会の発足と活動報告>
国際教養学科4年次生 齊藤祐史

 2017年4月、京都外国語大学において、「サービス・リーダーシップ研究会」を発足致しました。この研究会は、学生が持つサービスに関する疑問や課題に関して調査し、地域と連携して企画立案や課題の解決を行う団体です。ここでいう「サービス」とは、航空、ホテル、旅行業界といった対人サービスを指し、学生が主体的に疑問や課題に対して取り組むことによって、サービス提供の最前線で活かすことのできる知見の取得と、リーダーシップを取る人材となることを目標としており、サービス全般に関して研究することで社会的・経済的な観点からの京都観光の戦略や方策を確立し、地域貢献を行うことを目的としています。学内アドバイザーとして、国内外の大手企業での豊富な勤務経験を持ち、米国公認会計士でもある赤坂美保さん(京都外国語大学コミュニティ・エンゲージメントセンター職員)と、外資系企業3社での勤務経験を持つ萬谷和歌子先生(国際教養学科)に実務面・学術面からのサポートを受けており、学外アドバイザーとしてJTB、ANA、JAL現役社員、起業家等の方々から様々な観点での助言を頂いております。

  研究会は主に「京都市における訪日ムスリム観光客の現状調査と施策立案」と「インバウンド促進のための国内外の航空産業・政策に関する調査」を行う二つのチームわかれて調査研究を行っております。公募により集結したメンバーは1年生から4年生の留学生を含む12名で構成されています。

 「京都」という立地はサービスに関する研究を行う本団体において、非常に重要な意味合いを持ちます。京都は米国の旅行雑誌最大手『Travel + Leisure』の読者投票ランキング「World’s Best Awards」において、世界の魅力的な都市を決める「Top Cities」「The 15 Best Cities In The World」に2014年、2015年と連続で1位を獲得しておりました。しかしながら昨年度2016年には6位に下がり、2017年現在は4位となっております。京都という世界の観光都市で学ぶ私達は、サービス全般に関して研究することで社会的・経済的な観点からの戦略や方策を確立し、様々な京都の魅力を発信するなどの地域貢献を行うことで、京都が継続的に世界を魅了するための一助を担う使命があると考えております。

 今回は私が中心となって進めている訪日ムスリム研究チームの取り組みを報告します。現在は京都を訪れるムスリム観光客に対する快適な滞在の為の環境整備に関する調査を行っており、データをもとに具体的な施策の議論を重ねております。京都市産業観光局の「京都観光総合調査」によると、2013年から2016年の間に、年間訪日外国人宿泊客数は約2.8倍増加し、それに伴ってムスリムが大半を占める地域(マレーシア、インドネシア、中東)からの宿泊客数も約2.7倍増加しております。

  これらの現状から、訪日ムスリム観光客の増加に伴い、特に日常生活と密接に関係のある「礼拝室不足」と「食事」に関しては、喫緊の課題となっております。現状では、ムスリム観光客が日本を訪れた際に提供できる食事、礼拝できるスペースは非常に限られており、京都市の資料を見ると、京都市内に礼拝室は10箇所のみで、場所に関しては祇園付近に集中しており、他の場所に礼拝室が少ないことが分かっています。

  ハラール認証(i)を受けたレストランに関しては5店舗、ハラールのメニューがあるレストランは10店舗のみで、ムスリム対応を行っているレストランに関しては、宗教をふまえた食事選定や価格帯、料理種別等で細分化すると、各ムスリム観光客のニーズに合う店舗は1,2店舗あるかどうかということが調査結果より判明しました。また、ハラール認証自体が「真にイスラームに適ったものと言えるのか」という、根本的な宗教倫理の問題もあります。京都においても、ムスリム観光客の受け入れの基盤整理や官民が一体となった早急な取組みが必要であるため、調査結果を踏まえて、公的機関やサービス関連企業と連携をはかり、ムスリム・フレンドリー施策の実現化を検討中です。また現在、京都の企業と連携し、食に関する共同プロジェクトを企画・進行中です。

 サービス・リーダーシップ研究会は、上記の主な二つのグループ以外にも、「カナダの日系移民の歴史」など各メンバーの興味・関心をもとに幅広く調査活動を行っており、今後もサービス全般から疑問や課題を見つけ出し、調査や企画、実施に繋げていきます。また研究会の活動の過程や調査結果を、9月に開催されるUCEC(University-Community Engagement Conference)国際学会において発表(英語)を行う予定です。学内のみならず、関西観光教育コンソーシアム開催の観光コンテストにも出場するなど、多岐に渡る活動を予定しております。試行錯誤を繰り返しつつ、学生視点でサービスについて考え、研究会の活動を通してメンバー一同、地域社会に貢献していく所存です。ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

国際教養学科 4年次生 齊藤祐史
(サービス・リーダーシップ研究会 会長・2015-16年クウェート政府奨学生・旅行会社内定)


(i). ハラールとは、アラビア語で「許されている」を意味する語です。ハラールな食べ物とは神によって許された食べ物と言えます。イスラーム法ではムスリムの行動規範に関して、「義務」、「推奨」、「許容」、「忌避」、「禁止」と区分があり、一般的に「禁止」以外の4項目がハラールに当たるとされています。他に食べるものが無いときに死肉や豚肉の食事が許されるなど、状況によっては「禁止」にあたる項目も許されることもあり、「ハラール」の適応範囲は条件によって変化します。そのため、各個人がその時々に応じて判断します。一方ハラール認証は、外部要因に関係なく、ムスリムが推奨されない食べ物や成分等を一切取り除いた料理や食品に、認証機関から付与されるものです。認証機関が乱立しており、基準が各機関で異なっていたり、本来神にしか決めるのことのできないハラールの基準を人間が勝手に決めて流布している点が宗教倫理に反するなど、ハラール認証の是非に関してはしばしば問題となっております。
  • サービス・リーダーシップ研究会メンバー
  • メンバーを公募する為、研究会の詳細を説明する様子

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