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京都外国語大学英米語学科 RSS

教員ニュース

2022/11/30 18:10:00 模擬国連世界大会 2022 レポート

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国際貢献学部で『Peace Design Seminar』を担当しているアングス・マグレガー先生より、11月23日から26日まで神戸で開催された、模擬国連世界大会の報告記事が届きました。
大会に参加した英米語学科2年島倉瑛太さんの体験レポートもあるので、ぜひ読んでみてください。

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The National Model United Nations (NMUN) was held from November 23rd-26th in the Portopia Hotel, Kobe. NMUN is one of the oldest and most prestigious intercollegiate MUN conferences and is held annually in New York City, Washington, D.C., and an international location. This year NMUN was hosted by Kobe City University of Foreign Studies and over 320 student delegates from 44 universities and 12 countries attended the conference. Four students and two faculty from Kyoto University of Foreign Studies participated, representing the country of Iceland in the General Assembly (GA) and Non-Nuclear Proliferation Committee (NPT).

The Opening Ceremony included a video message from the United Nations Secretary General Antonio Guterres and a letter of greeting from Japanese Prime Minister Fumio Kishida. Following the ceremony students participated in a Peace Forum moderated by Tetsuo Kondo, United Nations Development Program, with presentations by Yumiko Horie, Director of Policy, Advocacy and Campaigns for Save the Children Japan; Hiroe Ono, Senior Deputy Director for Middle East and Europe, JICA; and Koji Yanai, Group Senior Executive Officer and Director of the Board, Fast Retailing Co., LTD.

A special greeting was given by Professor Halyna Protsyk, Ukrainian Catholic University, who spoke about the ongoing situation in Ukraine, the displacement of people, and the constant threat of missiles and bombs. Setsuko Thurlow, a Hiroshima Atomic Bomb survivor and a representative of the International Campaign to Abolish Nuclear Weapons also sent a presentation entitled: Nuclear War or Non-Nuclear Peace? The need to make an educated choice.

The four participating KUFS students divided into two committees and proceeded to represent Iceland during the speeches, discussions, negotiations, resolution drafting, and debates. Ayane Maekawa (Global Studies) and Ryo Nakatsuji (Global Studies) joined the discussions in the General Assembly, while Eita Shimakura (British and American Studies) and Ken Torito (Global Studies) joined the Non-Nuclear Proliferation Treaty committee. Professor Ian Gibson (British and American Studies) and Adjunct-professor Angus McGregor (Global Studies) served as faculty advisers.


Following are the impressions of Eita Shimakura:

To prepare for NMUN, I read a lot about the Nuclear Non-Proliferation Treaty in the library, and I also looked up and learned a lot of vocabulary related to the United Nations and NPT Convention. I often met with my fellow teammates and prepared for the event with the help of professors Angus McGregor and Ian Gibson. Together we wrote position papers, speeches, studied the rules and procedures, and prepared our opinions for the conference.

The opening ceremony finally started, and I could hear a variety of languages from German and Spanish to Chinese and Ukrainian. It was a new experience for me, as I had never studied abroad before. Of course, I was nervous, but the feeling of anticipation overcame that. I had a lot of worries about whether I would be able to make friends and whether they would understand my English. However, as I began to meet people, I relaxed and thanks to that, I was able to enjoy the event and developed a desire to get to know the other students and cooperate with them towards a successful event. <Click here for the whole report>

2022/07/07 07:20:00 English Workshop Students Complete COIL Project

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Have you heard of the term COIL? COIL stands for Collaborative Online International Learning. This involves learning projects and interactions between groups from different institutions using technology.

During term one, KUFS student groups led by assistant professors Brad Howe, Eric Lynch, and Jennifer Nihongi joined members of classes taught by KUFS’s long-term friend and collaborator, Professor Yi-Hung ‘Cathy’ Liao of Pingtung National University in Taiwan. They shared learning, research, and authentic cross-cultural communication using the 17 United Nations Sustainable Development Goals as a basis for discussions and reports.

Using the convenience and creativity of Google Drive, collaborators created and shared a master plan on a colorful and interactive Google Sheet file. Students then worked on documents, group slide presentations, and a variety of student-organized online meetings. Participants had the opportunity to expand online skills, language abilities, and creativity.

We hope that in the future, more and more students will be able to benefit from collaborative projects using English as a lingua franca. Technology has enabled us to get the maximum benefit of international experiences and educational opportunities at KUFS.

2022/02/23 12:10:00 Marvel版 ULTRAMAN「光の巨人」研究ー序論ー

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英米語学科ブログの「教員ニュース」では、教員に関するまたは教員発信の情報を紹介します。「教員ニュース」第4号は、言語学研究者の藤本幸治先生から最近の研究についての投稿です。

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藤本幸治先生(英米語学科 教授)
言語研究の傍ら、「言語と文化は表裏一体」をコンセプトに、スーパーヒーローを媒体とした異文化研究の新たなアプローチに挑戦中。本学科ブログでは過去に、MLBの大谷翔平選手をヒーロー研究の視点から捉えたインタビュー記事を紹介しています。


Marvel版 ULTRAMAN「光の巨人」研究ー序論ー
 1966年、M78星雲からの使者が地球に降り立ちました。テレビでの最高視聴率42.8%を記録し、日本を代表する特撮エンターテインメント作品としての地位を確立した「光の巨人」を研究することが最近の私の関心と興味の中心です。ウルトラマンと名付けられたこの宇宙人の55年の歴史は、まさに紆余曲折を経た物語です。日本では支持されてきたウルトラマンですが、海外ではなかなか認知されず、興味を持ってもらうことができませんでした。海外でのロケや製作にも取り組んできました。しかし、どれも成功したとは言い難いのです。
 そして今、ウルトラマン生誕55周年となった2021年に新たな挑戦が始まりました。アメリカにおいて、この日本のスーパーヒーローが、今やグラフィックノベルとして認知されているアメコミ市場で新たな挑戦と活躍を始めたのです。新天地での彼の新たな冒険には、どのような面白さが隠されているのでしょうか。ヒーローが活躍する場所では、その場所に暮らす人々の思想やその社会や国の事情が織り込まれているのが常です。アメコミ版ウルトラマンにそれが読み取れます。彼の新たな活躍とその背景を解き明かすことで、日米の異文化コミュニケーション研究に貢献できるのではないかと考えています。


[藤本先生:過去のヒーロー研究例]

  • 論文:「ピーターパーカーは何故ニューヨークに住んでいるのか?-日米間における文化心理学的考察に基づくスパイダーマン研究序論ー」『Studies in English Language and Literature』(2015)

  • 論文:「ブルース・ウェインの贖罪と自己救済ーNorlan は闇の騎士に光を与えることができたのかー」『COSMICA』(2013)

  • 論文:「アメリカン・コミックヒーローに垣間見る自己投射原理-人々は何故スーパー・ヒーローを必要とするのか-」『COSMICA』(2008)

  • Marvelコミックス版ウルトラマン

2021/10/05 17:00:00 大谷翔平選手 — 文化比較の専門家に聞くヒーロー像 (藤本幸治先生)

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英米語学科ブログの「教員ニュース」では、教員に関するまたは教員発信の情報を紹介します。「教員ニュース」第3号は、10月8日に毎日新聞に掲載される藤本幸治先生(英米語学科)のインタビュー記事のお知らせです。

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 英米語学科藤本幸治先生のインタビュー記事が、10月8日毎日新聞朝刊および毎日新聞ウェブ版に掲載されます。タイトルは、「日米の価値観を超えた大谷翔平 文化比較の専門家に聞くヒーロー像」。野球の本場アメリカのメジャーリーグで大活躍する大谷翔平選手を異文化研究の視点から語る内容となっています。

web版のリンクはこちら

[藤本幸治先生からのメッセージ]

皆さんも分野は違えど、大谷翔平選手のように異国の地で戦える確かな実力(知識や経験)を在学中に身に着けてください。大谷選手は、戦後の日本から「言語を通して世界の平和を」のスローガンのもと、国際的に活躍できる人勢を輩出することを目的に設立されてた京都外国語大学の学生がお手本にすべき人物です。おそらく彼も多くの困難を米国で経験し、それに不撓不屈の精神で打ち勝ってきて、成績を残しているのでしょう。皆さんも、頑張っていきましょう。


*本学図書館で毎日新聞の閲覧が可能です。
*ウェブサイトは有料記事のため、講読会員以外は読むことができません。
*読む機会を逃してしまった人は、藤本幸治先生にぜひ、直接お話を聞いてみてください。

  • 毎日新聞ウェブ版「日米の価値観を超えた大谷翔平」

2021/07/16 10:00:00 「温故知新と英語の不思議」「日本語の文化と英語の文化」

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英米語学科ブログの「教員ニュース」では、教員に関する、または教員発信の情報を紹介します。「教員ニュース」第2号は、言語学専門の藤本幸治先生から、英語の歴史と異文化理解に関するお話です。

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温故知新と英語の不思議

英語の学習といえば、読む、聞く、書く、そして話す、を中心とした語学の運用面に焦点が当たりがち。そしてその実用能力を語学試験(TOEICや英検)で腕試しすることが通例となっていますね。しかし、英語を学習すればするほど、不思議で納得のいかない現象に出会うのも常。例えば、不定冠詞の「a」。「一つの」という意味を持ちますが、それはなぜなのでしょうか。アルファベットの一番初めに来るから?それじゃ、「b」は2番目なので、「2つの」という意味になりますか。I have b books. いや、違いますよね。

実はこれ、昔の英語(Old Englishといいます)までさかのぼれば、謎が解けてきます。英語で、「1」は、「one(ワン)」、これを弱形で発音してみると「アン(an)」となります。つまり、かつては、anが基準になり、その語、母音以外で始まる名詞の直前の「n」が発音されなくなりました。中学生のころ、冠詞a(1つの)は、母音で始まる名詞の前では、「n」を付けますよ、と習ったことは実は順序が真逆なのです。こういったことを知るためには、現在の英語ばかり見て(共時的研究(synchronic approach))いるだけではだめなのです。歴史を通じた通時的研究(diachronic approach)を知る必要があります。その面白さは他にもあります。例えば、今度は単数形ではなく、複数形の場合、通例、複数形を表す接辞(affix/接尾辞(suffix))は、「-(e)s」を語末に用いますね。そうすると、dog→dogs、book→books、adult→adultsとなります。しかし、childはchildsとはなりません。どうしてでしょう。Childrenのrenが複数を示すのでしょうか。-renを用いた複数形なんて、children以外見たことないですよね。

しかし、現代の英語においても、ox(雄牛)の複数形は、oxenとなります。そして、なんとbrotherの複数形に、brothersだけではなく、brotherenという形があるのです。つまり、[n]が複数形を表していると考えられるのです。では、[re]はどうなのでしょうか。実はこれも古英語の時代には、[re]は現在の接辞「es」と同じように、複数を表していたのです。

でもちょっと待って。それでは、childrenは複数接辞がダブっていることになりますよね。ところがこれは、日本語にも当てはまる現象で、例えば、「女ども」、「野郎ども」の「ども」は複数を示します。では、「子ども」はどうでしょうか。そう、複数を示してます。しかし、「子ども達」というふうに複数を示す「達」を並べて使うことができてしまいます。

いかがでしたか。言葉はいい加減であり、またいい加減に見えて、そこには、変化の理由が隠されているのです。そのためには、目に見えてている「現在」だけではなく、現在に至るまでの過去からの歴史をさかのぼる必要があります。まさに「温故知新」、故きを温ねて新しきを知る、です。


日本語の文化と英語の文化

時間というのは、人間にとってとても大切なもの。限られた人生の長さを有意義に生きなくてはなりません。そして、時間はすべての人に共通で、平等に与えられているものです。しかし、文化が異なれば、時間の感覚が異なることもあるのです。これはいったいどういうことでしょう。

例えば、あなたが明日友達の家での誕生日パーティーに招かれたとしましょう。パーティーの開始時間は午後3時です。さて、あなたは何時に友達のおうちに向かうでしょう。午後3時前、あるいは午後3時を過ぎて行きますか。日本人の場合、おそらく、開始時間を(ましてや意図的に)過ぎて、遅れて到着することはまずはないでしょう。それは、「相手を待たせてはいけない」という相手に対する配慮です。

しかしながら、欧米では、パーティーに遅れてくる人はざらにいますし、ことによれば、それがマナーだとさえ考えられています。私たち日本人にはにわかには信じがたいことです。しかし、そこには彼らなりの理由があるのです。そして、それは私たちと同様、相手に対する「思いやり」の心なのです。いったいどういうことでしょうか。

もし仮に、あなたがパーティー会場に開始時間より前(10‐15分前)に到着したとしましょう。もしかしたら、パーティーのホストは、ぎりぎりまで料理や飾りつけの準備をし、最後の仕上げとして、シャワーを浴びてドレスアップしようとしている最中かもしれないですよね。そんなときに、すでにあなたが到着したとなれば、相手は焦りますし、あなたもさぞかし居心地が悪くなるでしょう。そういった状況を回避するためにも、相手に十分な時間の余裕を与えることが相手への配慮だと考えるのです。なるほど、ですね。

つまり、言葉によるコミュニケーションだけではなく、その言葉が使われる国や地域の風習やものの考え方、つまり、異文化に対する理解を欠いてしまうとせっかくのコミュニケーションも失敗に終わります。言葉と文化はコインの裏と表。どちらも欠くことはできません。

ちなみに、欧米では、パーティーの後の片付けの手伝いもあまり喜ばれないのです。相手の家事の手伝いをするということは、招かれたゲストのすることではなく、むしろ、勝手に片付けようとすると相手のプライバシーを侵害する可能性もあります。気を付けたいものですね。

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