Mebius Strip (36)

pidginとcreole
 料理にクレオール料理ってのがありますね。テレビなどでも時々使われる言葉です。でも実際にどれほど意味が分かって使ってるのかなって、思ってしまいます。
 クレオール(creole)の意味は別の言葉、ピジン(pidgin)を知ってないとわかりません。ピジン英語(pidgin English)とは、英語を話す商人が外国と交易をする際、現地語の特徴が色濃く入った英語のことを意味します。悪くいってしまえば、「英語もどき」ってことです。
 例えば、次の例はメラネシアピジンイングリッシュ(Melanesian Pidgin English)の例です。

   Mi go long taun. (=I go to the town.)
   Yu wokabaut long rot. (=You walk along the road.)

どうですか、よく見ると英語の単語が使われていて、確かに英語のように見えます。でももちろん本来の英語とは異なります。このような英語をピジンイングリッシュというのです。
 ピジンイングリッシュは明らかに外国語です。上の場合ですと、メラネシアにすんでいる人が話す外国語としての英語です。しかし、もしこのピジンイングリッシュを母国語とする子供が産まれたらどうなるでしょう。つまり、親がピジンイングリッシュを話して子供を育てるので、親にとっての外国語であるピジンイングリッシュが、その子供にとっては母国語になってしまうわけです。こうなった場合をクレオールというのです。
 「最悪、その子、かわいそう」なんて思ってませんか? 「そんな英語、英語じゃない」なんて思ってませんか? そんなことを思ってるようじゃ「言語を通しての平和」をモットーとしている外大生としては失格ですぞ。考えてもみてください。みなさんのお父さんとお母さんは同じ出身地の方ですか? お父さんが関東で、お母さんが関西だとしたら、みなさんは何弁で育ったんですか? みなさんのしゃべっているのは関東弁と関西弁のクレオールですよ。長い歴史の中で他の言語の影響を受けなかった言語などないのです。すべての言語は広い意味でクレオールなのです。ですから、純粋の英語じゃないからといって、低くみることはおかしいことなのです。言語に「優れた言語」も「劣った言語」もないのです。

(T.O.)