私の見たポルトガル

5月のfestas de latas にて
写真中央が筆者


 ヨーロッパのイベリア半島の端に位置するこの大航海時代の猛者は、私を歓 喜させるのに十分な国であった。あの宮崎駿監督の「魔女の宅急便」の舞台にもなっ たというポルト、首都リスボン、私が過ごした古参コインブラなど、小さな国であるが、その 中にも色々なドラマが生まれる場面を持ち合わせている。私が経験したドラマは、「異なる価値観を持った友人達と過ごしたあのとき」、とでも題されようか。いずれ<> にせよ、二十歳の時をあの国で過ごせたことを幸せに思う。

  留学中の多くの時をコインブラで私は過ごした。今になって、もっと他の都市にも頻 繁に足を伸ばせば、と思うのだが、しかしコインブラにはそこに留まらせる何かが あったように思えてならない。果たしてそれが何なのかは未だにうっすらとしか考え つかないのだが、一つ見えている答えはというと、モノトーンで変化のない生活であ るのだが、飽き飽きしない日々、ということだ。これは直接体験しなければ分からな い感覚であるので説明するのは非常に難しい。

  ヒトは「ポルトガル人は閉鎖的だ!」、という。私もそれに大賛成だ。これから旅 する人や留学する人が失望するかも知れないが、実際そうなのだ。しかし、そこで見 切りを付けてしまってはせっかくの留学生活が灰色の日々となってしまうと思った私 は、思い切ってポルトガル人の輪に加わっていった。やはり何事やるにしても、第一 歩の勇気には緊張と不安が私にはついて回る。この場合も気後れしながら、ポルトガ ル人と供に夕食をしたりサッカーをしたりしたものだ。しかしそれが結果として、半 不透明であるが、彼らと溶け込めていたので、大いにそのことは自分でも誉めたい点である。

  酒を飲んだら出来る話題というのは、どうやら万国共通である。ただし、酔ってい ても彼らは政治・経済の話も平気でする。その感覚で帰国して、居酒屋に行った日に は、次回からは敬遠されてしまった…。郷に入っては郷に従えとはまさに このことだ、と痛感するのであった。

平澤 元


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