日本ブラジル修好100周年記念

ブラジル文化・映像と演劇の世界

名画ビデオ鑑賞会と講演会


ブラジル映画小史

 今年は映画誕生100周年である。

 過去100年の間、ブラジルは、やく2,000本の映画を制作し、50個以上の国際的な賞を受けている。独裁者的な政治を行ったものの、ブラジル固有の文化育成に尽力したジェトウリオ・ヴァルガスが登場する1930年代に、映画にとっての消費市場が形成され始めた。ヴァルガスが民衆の支持を得て政治の舞台に再び現れる1950年代および新首都が生まれた1960年代に、ブラジル的な民衆文化を強調するシネマ・ノヴォ(新映画)の時代が訪れる。代表作は、小説を映画化したNelson Pereira dos SantosのVidas secas (1963)、日本では「黒い神と白い悪魔」として紹介されたGlauber Rocha監督のDeus e o diabo na Terra do Sol (1964)などである。

 やがて、軍事政権のもとで、1969年にブラジル政府映画局Embrafilmeが創設され、政府の指導のもとに映画制作がすすめられることになった。1980年代には、年間100本にも及ぶ映画制作がなされる商業映画の絶頂期を迎えるが、映画産業に危機が訪れ、1990年にはブラジル政府映画局が廃止されるに至ったのである。しかし幸いなことに、1993年以降、作品数は限られているものの、短編などを含めて優れたものが作られ始めている(参考:Almanaque Abril 1995, pp.632-633)

 

プログラム


日本ブラジル修好100周年記念

「ブラジル文化・映像と演劇の世界」
  J. マリーニョ・デ・オリヴェイラ(UFF教授)

於:京都外国語大学

 1995年10月27日(金)



ブラジル名画ビデオ鑑賞会:聖女バルバラへの誓い


時間:

16:00開場

16:30上映開始 (18:00 終了予定)


場所:

京都外国語大学741教室(300席)


言語:

ポルトガル語(日本語解説配布)

講演会:「ブラジル文化・映像と演劇の世界」


講師:

J. マリーニョ・デ・オリヴェイラ(UFF教授)


コメンテーター:

ルイス・カナーレス(本学教授)


時間:

18:15開始(19:15終了予定)


場所:

京都外国語大学国際交流会館4階会議室


言語:

ポルトガル語(逐語通訳)

通訳:


安養寺・シルビア・ルリ

入場無料

主催:京都外国語大学ブラジルポルトガル語学科

後援:在日ブラジル大使館

 

 

講師プロフィール


J. マリーニョ・デ・オリヴェイラ
Jos Marinho de Oliveira

 現在、ブラジル国フルミネンセ連邦大学(UFF)教授・同大学映画ビデオ学科所属。リオデジャネイロ在住。
 1931年2月12日、ブラジル国ペルナンブコ州に生まれる、64歳。
 1963年、ペルナンブコ連邦大学 (UFP) 演劇学科卒業。  
 1985年、サンパウロ大学大学院修士課程修了。映画演劇専攻、論題「パライーバの記録映画」。
 1971年8月より、フルミネンセ連邦大学映画ビデオ学科で教鞭をとり始め、今日まで「俳優指導論」「映画分析」「ブラジル映画史」「世界映画史」「ブラジル映画撮影技術研究」「記録映画」「映画編集」「音響技術」などの講座を担当。現在、「シネマ・ノヴォの俳優」について、研究をすすめている。
 映画フェステイバルの審査員のほか、俳優として、1965年から現在までの30年間に25本の長編映画に出演、さらに演劇に6回、テレビに10回の出演経験を持つ。
 ポルトガル系の夫人との間に男子2人、初来日。

 

講演要旨


 日本ブラジル修好100周年を記念して、ブラジル映画60年の歴史を4つの時期に焦点を合わせて振り返る。

 まず、1930年である。この年、Humberto Mauro監督Ganga Brutaが作られる。不貞な婚約者を殺してしまった男に再度、ロマンスの機会がめぐってくる、という内容だが、ブラジル映画の傑作のひとつにあげられている。

 続いて、ブラジル映画が国際舞台で成功をおさめた1950年代である。1953年制作のLima Barreto監督の作品Cangaceiroがカンヌ映画祭冒険映画部門で優秀賞を獲得したが、これは、サンパウロの映画会社ヴェラ・クルス社の作品である。同じ時代の1952年にリオデジャネイロを舞台にした音楽・喜劇Jos Carlos Burle監督の作品Carnaval Aatl穎diaが制作された。

 3つ目はシネマ・ノヴォ(新映画)が登場する1960年代である。1964年に軍事政権が誕生し、政府による検閲も始まった時期に重なる。ここでは、ブラジル映画を語る上で欠かすことのできない人物Glauber Rocha監督の1967年制作のTerra em Transse を取り上げる。この作品には、人民主義と権威主義対立の構図が示されているが、映画芸術の視点から論じる。

 最後は、現在である。1994年制作のCarlos Reichenbach Filho監督のAlma Corsrio を紹介しながら、ブラジル映画の現状に触れる。

 


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