■研究計画■
平成17年度科学研究費補助金研究計画(案)
基盤研究C 現代ブラジルにおける都市問題と政治の役割
研究代表者:住田育法(京都外国語大学)
研究分担者:
田所清克(京都外国語大学)
山崎圭一(横浜国立大学)
萩原八郎(四国大学)
研究協力者:
谷口恵理(筑波大学大学院)
奥田若菜(大阪大学大学院)
その他
研究の目的 現代ブラジルにおける都市問題と政治の役割
を考察し、ブラジルの都市システムの変化と地方の社会構造を明らかにすることが目的である。民主化の進展、
とくに2003年の労働者党(PT)ルーラ大統領誕生という政治変動を基底に、新旧首都のリオデジャネイロとブ
ラジリア、さらにこれらとライバル関係にある巨大都市サンパウロの事例を取りあげつつ、広大な空間をかか
えるブラジルの都市化における社会格差の問題を考察する。総論として、ブラジル現代政治史における都市問
題の展開を位置づけ、各担当者がこれまで現地調査などで蓄積してきた業績を踏まえて、情報交換、議論を積
み重ね、ブラジルの都市システムの変化と現状を把握する。具体的に、リオについては、近代国家形成の首都
としての役割の歴史的検討を踏まえて、ファヴェーラの問題を検証する。新首都ブラジリアについては、フィ
ールドワークに基づいて、研究協力者が、「連邦区における社会格差と政策」の問題について情報提供する。
サンパウロに詳しい萩原は、この巨大都市の構造を、都市インフラストラクチャーと社会教育の問題から考察
する。山崎はブラジルの地方財政構造の視点から、ブラジルの5千を超える大小の地方都市(市街化された小
規模集住地を含む)とリオ、サンパウロ、ブラジリアなどの巨大都市との関係を相互比較の視点から追及する。
住田が、中央集権から地方分権へ、国営から民営化への大きな変化の時代を迎えている現代ブラジルの政治史
の立場から、担当者各自に、議論と考察の機会を作り、この成果を、学会ならびに学術図書などで発表する。
本年度(〜平成17年3月31日)の研究実施計画
情報収集と研究課題の同定に力点を置いて、平成16年度は、1ヵ月に1〜2回、研究分担者や研究協力者が
京都に集まり、内外の専門化を交えて、具体的な研究の打合わせならびに成果の報告会をおこなった。
これらの研究会を通じて、従来日本では十分に確認されてこなかった制度の微細な点が招聘した複数の研究者
との議論を通じて確認されたことも、大きな成果であった。引き続き、研究会を開催するが、すでに構築され
たサンパウロ大学やブラジリア大学、アジア経済研究所、ブラジル地理統計院ならびに応用経済研究所などと
のネットワークを活用して、調査、研究を深めてゆきたい。6月の共同研究としては、日本ラテンアメリカ学
会第26回定期大会において、「ブラジルの都市問題―ムニシピオの形成と都市行政の展開」と題して、研究代
表ならびに研究分担者に加えて、複数の研究協力者によるパネル報告をおこなう。これまでの研究を踏まえて、
今日5千560団体を超えている行政単位ムニシピオ(サンパウロやリオデジャネイロのような州都となっている
大都市から市街化された集住地を含む小さな町や村まで幅広い人口規模の「市」)の形成と土地所有や住宅政
策などの実情に焦点を絞って都市問題を考えたい。殊に、植民地時代にさかのぼる過去の遺制という視点をも
意識しつつ、こんにちの農村地区における土地なし農民運動や市街地のファヴェーラの形成における土地占拠、
さらには都市暴力に関わる問題にも触れる。7月以降、2名の研究協力者が、フィールドワークのために新首都
ブラジリアに長期の研究滞在をおこなうので、現地からの最新情報の提供による本研究会への協力が期待され
る。研究分担者は、研究会を通じて、各自のテーマにしたがって、資料の収集と考察を進め、11月にかけて、
成果を原稿で提出し、複数の研究協力者を加えて、印刷物の形で成果をまとめる。
(以下、省略)
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