■学会動向■
日本ラテンアメリカ学会第30回定期大会
分科会8 20世紀史
報告の標題 ブラジルの選択―秩序と進歩vs.社会正義
司会:青木 利夫(広島大学)
発表者 住田育法 (京都外国語大学)
20世紀第4四半期に誕生した労働者党(PT)に注目しつつ、ポピュリスト政権や従来の新自由主義の政策との
比較において、ルラ政権下の「秩序と進歩」vs.「社会正義」の構図を考えた。1930年のヴァルガス革命以降、
ブラジルは、工業国として「秩序と進歩」の道を歩んできた。やがて1988年公布の民主憲法の下で、庶民派
の大統領カルドゾやルラが登場し、彼らによってブラジルは「社会正義」の道を選択し始めた。それは、農
地改革や所得のより公平な分配、国民全員への教育機会の拡大、住居の提供などを目指す政策である。例え
ば、ブラジルの土地なし労働者運動(MST)は「より良い社会を構築するための戦略」であり、その旗印は「
社会正義」である。しかしルラ政権には、理想と現実の乖離も見られる。2006年の再選以降ルラ大統領は、
スーツの襟に「秩序と進歩」を謳った国旗のバッチを付け始めた。政治選択として「社会正義」を考察する
意義が高まっている。
『日本ラテンアメリカ学会第30回定期大会プログラム』より(2009年6月6日(土)・7日(日) 於・東京外国
語大学府中キャンパス)
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